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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
妊娠-分娩時のB群
Streptococcus
感染予防
(
2023/10/17 更新
)
臨床状況
B群
Streptococcus
(GBS)コロニー形成のある母親から出生する新生児において,GBS感染リスクを最小限にすること.
妊婦-分娩期の抗菌薬による予防法:
スワブ培養陽性なら分娩時に抗菌薬投与.
全ての妊婦で,妊娠36~37週時に膣および直腸スワブを用いてB群
Streptococcus
(GBS)のスクリーニングを行う(予防が適応となる他の要素[今回の妊娠時のGBS細菌尿,または以前に侵襲性GBS感染のある新生児を出産したなど]がない場合だが,この場合でも培養は感受性試験としては有用).輸送培地を用いる.GBSは室温で96時間まで生存.
以前に侵襲性GBS感染のある新生児を出産,あるいは今回の妊娠時にGBS細菌尿があった場合には,分娩時に治療を行う(定義については
MMWR Recomm Rep 59(RR-10): 1, 2010
を参照).
GBSが評価できなくても,以下のいずれかに該当すれば治療を行う:
<37週での出産(
MMWR Recomm Rep 59(RR-10): 1, 2010
.早期分娩・早期破水のアルゴリズム参照)
破水後≧18時間
分娩時の体温≧38.0℃
注意:羊膜炎が疑われる場合,広域スペクトラム抗菌薬治療にはGBSに対して活性のある薬剤を含める.
妊娠35~37週時の膣および直腸培養が陰性の場合は治療しない(今回の妊娠時にGBS細菌尿がある,または以前に侵襲性GBS感染のある新生児を出産した場合を除く).
羊膜が完全な状態で,分娩開始前に帝王切開を行う場合は治療しない(標準的な外科的予防を行う).
新生児:症状および徴候の注意深い観察または臨床検査値の評価,あるいは両方を行うことが必要(詳しいアルゴリズムを参照:
MMWR Recomm Rep 59(RR-10): 1, 2010
).
病原体
Streptococcus agalactiae
(B群Streptococcus)
第一選択
PCG
500万単位静注(初期投与),続いて250万~300万単位静注4時間ごと
出産まで治療.
第二選択
ABPC
2g静注(初期投与),続いて1g静注4時間ごとを出産まで
ペニシリンアレルギー:
CEZ
2g静注(初期投与),その後1g静注8時間ごとを出産まで
GBSがCLDMおよびEM双方に感性,またはDテスト(または同等の検査)でEMには耐性だがCLDMには感性で誘導耐性のないことが確認された場合:
CLDM
900mg静注8時間ごとを出産まで
注意:2020年までにin vitro耐性が45%以上になっている(CDC acute bacterial core sureillanceのデータ)
細菌の感受性が不明な場合,CLDMに耐性,またはCLDMへの誘導耐性が除外できない場合,あるいは患者にCLDMアレルギーがある場合:
VCM
20m/kg静注8時間ごと,最大2g/回.
ペニシリンアレルギー検査が可能であれば,妊娠中でも安全であり,ペニシリンアレルギー(とくにIgE依存性が示唆される,重症度不明,またはその両方の場合)の報告のあるすべての女性で有益となりうる.
アナフィラキシーのリスクが高くない患者:
βラクタム系によるアナフィラキシーのリスクの高い患者:
コメント
ACOGガイドライン2020年改訂版(
Ob Gyn 135: e51, 2020
).
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2023/10/16