日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ライム病-顔面神経麻痺  (2024/10/29 更新)
ベル麻痺,ライム病,顔面神経麻痺


臨床状況

  • 早期のライム病神経病変は,通常片側性または両側性のベル麻痺として発現する.
  • 早期ライム病ではどの脳神経の障害も起こりうるが,最も多いのは第7脳神経である(ライム病によるすべての脳神経障害の約80%).
  • 通常,髄膜炎の合併はない.
  • 末梢神経障害の他の症状として,神経根炎,神経叢障害,多発性単神経炎などがある.

病原体

第一選択

  • 髄液検査が陰性の場合
  • 成人:
  • DOXY 100mg経口1日2回・14日
  • AMPC 500mg経口1日3回・14日
  • 小児:
  • DOXY 4.4mg/kg/日 経口1日2回に分割・21日(最大100mg1日2回)
  • AMPC 50mg/kg/日経口1日3回に分割・28日

第二選択

  • 成人:CXM-AX 500mg経口1日2回・14日,髄液検査結果に異常があれば,CTRX 2g静注24時間ごと・14日.
  • 小児(8歳以上):CTRX 50~75mg/kg/日静注・14日

抗微生物薬適正使用

コメント

  • ライム病髄膜炎を除外するために髄液検査が推奨される.髄液検査が陰性であれば,経口処方を用いる.
  • 髄液検査で細胞増多症が認められれば,静注処方を用いる:CTRX
  • ベル麻痺に対して,症状発現後72時間以内に投与すればコルチコステロイドが有効なことがある.
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2024/10/28