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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
ライム病-顔面神経麻痺
(
2024/10/29 更新
)
ベル麻痺,ライム病,顔面神経麻痺
臨床状況
早期のライム病神経病変は,通常片側性または両側性のベル麻痺として発現する.
早期ライム病ではどの脳神経の障害も起こりうるが,最も多いのは第7脳神経である(ライム病によるすべての脳神経障害の約80%).
通常,髄膜炎の合併はない.
末梢神経障害の他の症状として,神経根炎,神経叢障害,多発性単神経炎などがある.
診断法についての詳細は,
ライム病-診断
および
Emerg Infect Dis 22: 1169, 2016
を参照.
病原体
Borrelia burgdorferi
第一選択
髄液検査が陰性の場合
成人:
DOXY
100mg経口1日2回・14日
AMPC
500mg経口1日3回・14日
小児:
DOXY
4.4mg/kg/日 経口1日2回に分割・21日(最大100mg1日2回)
AMPC
50mg/kg/日経口1日3回に分割・28日
第二選択
成人:
CXM-AX
500mg経口1日2回・14日,髄液検査結果に異常があれば,
CTRX
2g静注24時間ごと・14日.
小児(8歳以上):
CTRX
50~75mg/kg/日静注・14日
抗微生物薬適正使用
小児:DOXYは21日までなら年齢にかかわらず安全に投与できる(
AAP Red Book 2018 Section 4
;
J Pediatr 166: 1246, 2015
)
コメント
ライム病髄膜炎を除外するために髄液検査が推奨される.髄液検査が陰性であれば,経口処方を用いる.
髄液検査で細胞増多症が認められれば,静注処方を用いる:
CTRX
.
ベル麻痺に対して,症状発現後72時間以内に投与すればコルチコステロイドが有効なことがある.
2020年診療ガイドライン:
Neurology 96: 262, 2021
;
Clin Infect Dis 72: 1, 2021
.
総説:
N Engl J Med 370: 1724, 2014
;
JAMA 315: 1767, 2016
;
JAMA 315: 2461, 2016
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2024/10/28