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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
二核アメーバ
(
2025/11/04 更新
)
臨床状況
下痢,腹痛,食欲不振,倦怠感:症状は慢性のこともある.
慢性症例の病原体として広く認められているが,すべての研究が支持しているわけではない.ライフサイクルは完全には解明されていない.
PCR陽性に対する治療を開始する前に,セリアック病および他の病原体を除外する必要がある.
糞口感染により伝播し,アメーバではなく腸内の鞭毛虫である.
参考文献:
Am J Trop Med Hyg 82: 614, 2010
;
J Clin Microbiol 54: 2243, 2016
;
Clin Microbiol Rev 29: 553, 2016
.
診断/病原体
診断
近年では市販の便マルチプレックスPCRパネルが普及し,診断が増加している.
慢性腹部症状を有する帰国者の18.7%でPCRにより
D.fragilis
の保有が確認された(
J Trav Med 29: taac011, 2022
)
欧州の小児では有病率68%であった(
Trop Med Infect Dis 6: 160, 2021
)
病原体
Dientamoeba fragilis
(二核アメーバ)
第一選択
Iodoquinol
650mg経口1日3回・20日
MNZ
750mg経口1日3回・10日(多くの研究で臨床的失敗率20~40%)
パロモマイシン
25~35mg/kg/日経口を3回に分割・7日
D.fragilis
は,腹痛や下痢が1週間以上続く患者の便から唯一可能性のある病原体として検出された場合に治療する.
第二選択
治療が無効だった場合には
上記の
Iodoquinol
治療を繰り返す
Iodoquinol
と
パロモマイシン
の併用:用量は上記と同様
TC
500mg経口1日4回・10日+
Iodoquinol
650mg経口1日3回・10日
治療期間
上記処方参照
コメント
便PCRによって,治療で細菌が根絶できていないことが明らかになることが多い.
無菌in vitroの培養データでは,チニダゾールとメトロニダゾールが最も活性が高いことが示されている:
Antimicrob Agents Chemother 56: 487, 2012
.
D. fragilis
と過敏性腸症候群を結びつける専門家もいる.
多くの治療選択の有効性を比較した適切な対照研究はない.
ほとんどの臨床医が,症状のある人を治療する.
小児においてメトロニダゾールとプラセボを比較したところ,初期の寄生虫除去率は62%であったものの,症状消失に差はみられなかった(
Clin Infect Dis 58: 1692, 2014
).
上記の併用治療は症例報告にあげられているものである.
Iodoquinolおよびパロモマイシン
(注)
の供給元は,
入手困難な抗寄生虫薬の配給元
を参照
【注】日本では
パロモマイシン
250mgカプセルが入手可能
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2025/11/04