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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
酒さ様痤瘡
(
2024/05/14 更新
)
臨床状況
病原不明の痤瘡様炎症性疾患
中高年に起こる疾患
で,鼻,頬,まぶた,前額部の紅斑および毛細血管拡張が起こる.
紅斑性酒さ:初期には紅潮,持続的な紅斑を呈する.
丘疹膿疱性
痤
瘡:後期には,丘疹,膿疱,嚢胞および結節.重症例では組織肥厚や酒さ(酒
皶
)鼻(鼻瘤)が起こる.
目的はコントロールであって治癒ではない.
一般的な治療方法
紅潮の原因となるものを避ける:たとえば,辛い食べ物,アルコールなど
皮膚の手入れ:モイスチャークリームを使う,やさしく皮膚を洗浄,局所的な刺激となるものを避ける.
日焼け止めを使う.
病原体
病原体は不明.ダニ/
Helicobacter
属/微生物の役割は明らかでない.
皮膚のダニ:
Demadex folliculorum
(毛包虫)が関与すると考えられている(
Arch Dermatol 146: 896, 2010
).
Helicobacter pylori
の関与の可能性がある(
BMC Infect Dis 18: 318, 2018
).
第一選択
重症例以外は,通常局所治療:改善がはっきりと確認できるまでには4~6週が必要.
顔面の酒さによる紅斑
αアドレナリン受容体作動薬
拡張した血管を収縮させる.
ブリモニジンゲル†.1日2回患部に塗布
効果はすぐに発現し,12時間収縮が持続する.
皮膚灼焼感を伴う紅斑の再発が報告されている.
症例シリーズからの報告では,レーザー治療の有用性が支持されている(
Cutis 93: 71, 2014
).
Azelaic acid 15%ゲル1日2回
以上の処方が奏効しなければ,局所レチノイドを検討する.
丘疹膿疱性酒さ
局所治療の選択肢
MNZ
1%ゲル,クリーム†またはローション†上記と同様に1日1回塗布
イベルメクチン
1%クリーム†.抗炎症作用と抗ダニ作用がある.臨床試験では,
イベルメクチン
クリームのほうがMNZクリームよりも有効であった(
Brit J Dermatol 172: 1103, 2015
).
Azelaic acid 15%ゲル1日2回
経口
DOXY
を局所治療と併用することもある
重症
丘疹膿疱性疾患
皮膚科医へのコンサルテーションを考慮する.
難治性の重症例にのみ,経口Isotretinoinを考える:0.5~1mg/kg/日を2回に分割・数カ月.
重症の鼻瘤に対する有効な処方は知られていない.外科的処置およびレーザーによる焼灼を考慮すること.
(†:日本にない剤形)
第二選択
DOXY
50mg経口1日1回.毛細血管拡張症,紅潮,鼻瘤には効果がない.奏効に数カ月から数年かかることもある.
過酸化ベンゾイル,
CLDM
,
EM
および5%Permethrin(ニキビダニに対して)の局所投与.
コメント
文献:
N Engl J Med 377: 1754, 2017
;
Br J Dermatol 176: 456, 2017
;
Med Lett Drug Ther 66: 28, 2024
.
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2024/05/13