トリーメク（アバカビル・ドルテグラビル・ラミブジン） (2022/7/26 更新)
主な商品名：トリーメク

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は，日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので，薬剤選択を考慮する場合には，必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
→日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1.　用法および用量

　1.　使用

トリーメクはHIV感染患者に対し処方される，1日1回服用の3剤固定用量合剤である．
HLA-B5701陰性の必要がある．
成人用錠剤（アバカビル600mg，ドルテグラビル50mg，ラミブジン300mg）および経口懸濁液のための小児用錠剤（アバカビル60mg，ドルテグラビル5mg，ラミブジン30mg：体重10～25kgの小児患者用）として入手可（注：日本では成人用のみ）．ドルテグラビル成分の薬物動態特性が異なるため，2つの剤形はmg-mgで交換してはならない．体重25kg以上の患者での小児用錠剤の使用は推奨されない．
個々の薬剤のデータは，それぞれの薬剤参照

　2.　成人用量

通常用量	1錠経口24時間ごと，食事の影響なし

錠剤：アバカビル600mg＋ドルテグラビル50mg＋ラミブジン300mg

　3.　小児用量

小児用錠剤の使用法：20mLの水に完全に混ぜる．粒が残らぬように混ぜ，30分以内に服用（食事の影響は受けない）．錠剤を噛んだり，切ったり，潰したりしてはならない．

　4.　腎障害時の用量調整

　5.　肝障害時の用量調整

2.　副作用

3.　抗微生物スペクトラム

4.　薬理学

薬剤	アバカビル（ABC）	ドルテグラビル（DTG）	ラミブジン（3TC）
分類	ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬（NRTI）	インテグラーゼ阻害薬（INSTI）	NRTI
PK/PD指標	データなし	データなし	データなし
トリーメク1錠中の用量	600mg	50mg	300mg
妊娠危険区分	好ましい薬剤（上記用法用量参照）
経口投与のタイミング1	食事の影響なし
経口吸収率2（％)	83	データなし	86
Tmax（時間）	1.3	2～3	“迅速"
最高血清濃度3（μg/mL）	4.26（600mg SD）	3.67（50mg24時間ごとSS）	2.04（300mg24時間ごとSS）
蛋白結合（％）	50	≧98.9	＜36
平均血清半減期4（T1/2, 時間）	1.54	14	5～7
細胞内半減期4（T1/2, 時間）	20.6	データなし	18
中枢神経系移行効果（CPE）5	3	4	2
脳脊髄液/血液6（％）	36	データなし	データなし
分布容積7（Vd）	0.86 L/kg	17.4 L（V/F）	1.3 L/kg
AUC8（μg・時間/mL）	11.95（AUC0-24）	53.6（AUC0-24）	8.87（AUC0-24）
チトクロームP450，トランスポーターとの相互作用	阻害：CYP1A1 CYP3A4の阻害能は限定的	基質：3A4, UGT1A1, UGT1A3, UGT1A9, BCRP, PGP 阻害：OCT2, MATE1	基質：PGP, BCRP, MATE1, MATE2-K, OCT2

注記のない場合は成人用製剤
健康な状態での吸収率
総薬剤量；遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
　　　SD：単回投与後
　　　SS：複数回投与後の定常状態
CrCl＞80 mL/分と想定
CPE（中枢神経系移行効果）値　1：低度，2～3：中等度，4：高度（Letendre, et al., CROI 2010, abs #430）
炎症時における脳脊髄液濃度
分布容積（Vd）：
　　V/F：（Vd）÷（経口生物学的利用能）
　　Vss：定常状態におけるVd
　　Vss/F：（定常状態におけるVd）÷（経口生物学的利用能）
AUC：血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve

5.　主要な薬物相互作用

6.　コメント