• トリーメクはHIV感染患者に対し処方される，1日1回服用の3剤固定用量合剤である．
  
• HLA-B5701陰性の必要がある．
  
• 成人用錠剤（アバカビル600mg，ドルテグラビル50mg，ラミブジン300mg）および経口懸濁液のための小児用錠剤（アバカビル60mg，ドルテグラビル5mg，ラミブジン30mg：体重10～25kgの小児患者用）として入手可（注：日本では成人用のみ）．ドルテグラビル成分の薬物動態特性が異なるため，2つの剤形はmg-mgで交換してはならない．体重25kg以上の患者での小児用錠剤の使用は推奨されない．
  
• 個々の薬剤のデータは，それぞれの薬剤参照
  

• アバカビル（ABC）
  
• ドルテグラビル（DTG）
  
• ラミブジン（3TC）
  

• 抗レトロウイルス薬に共通の副作用については，抗レトロウイルス薬－概説および一覧参照．
  
• 現在では，妊娠の時期にかかわらず妊婦に対して好ましい抗レトロウイルス薬とみなされている．
  
• 警告［BlackBox Warning］：アバカビル過敏反応，B型肝炎重複感染者がラミブジンを中断した場合のB型肝炎増悪．
  
• 注意：薬物相互作用が多い（下表参照，ただしすべてを網羅しているわけではない）
  

錠剤：アバカビル600mg＋ドルテグラビル50mg＋ラミブジン300mg

• 体重およびクレアチニンクリアランス（CrCl）推定値の計算法
  
• CAPD: 持続的携行型腹膜透析， CRRT: 持続的腎代替療法，SLED: 長時間低効率血液透析
  

• 軽症肝障害（Child-Pugh分類A）の患者でアバカビルの減量が必要なら，個々の薬剤を用いる．
  
• 中等症～重症（Child-Pugh分類BまたはC）では禁忌
  

副作用

• アバカビルまたはドルテグラビルの過敏反応．
  
• ラミブジン中止後のB型肝炎の増悪（HIVとHBVの重複感染患者）．
  
• 肝毒性．
  
• 乳酸アシドーシス，脂肪肝を伴う重症肝腫大．
  
• 免疫再構築症候群（IRIS）
  
• さらなる詳細は個々の薬剤（アバカビル，ドルテグラビル，ラミブジン）参照
  

妊娠時のリスク

• FDAリスク区分（新）：望ましい合剤
  
• 授乳中の使用：ARTがなされていて，妊娠期間を通じてウイルス量が抑制されていれば，リスクと有用性についてのカウンセリングを行った上での乳児哺乳は合理的な選択肢となる．
  

• HIV
  

1. 注記のない場合は成人用経口製剤
   
2. SD：単回投与後，SS：複数回投与後の定常状態
   
3. V/F：（Vd）÷（経口生物学的利用能），Vss：定常状態におけるVd，Vss/F：（定常状態におけるVd）÷（経口生物学的利用能）
   
4. CrCl＞80 mL/分と想定
   
5. 炎症時における脳脊髄液濃度
   
6. CPE（中枢神経系移行効果）値　1：低度，2～3：中等度，4：高度（Letendre, et al., CROI 2010, abs #430）
   
7. AUC：血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve
   

• ドルテグラビルと併用した場合に，アバカビルは HIV RNA＞10万コピー/mLの患者で奏効する．