日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Trizivir(ジドブジン/ラミブジン/アバカビル)  (2023/1/31 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

成人用量
1錠経口1日2回
(体重<30 kgまたはCrCl<50 mL/分または肝機能障害がある場合は推奨されない)

フィルムコート錠:ジドブジン300mg+ラミブジン150mg+アバカビル300mg

 3. 小児用量

小児用量
体重≧30 kg:1錠経口1日2回(DHHS,2019年9月)
(注:FDAは体重≧40kgの患者に承認している)

 4. 腎障害時の用量調整

CrCl<50 mL/分の場合は推奨されない.

 5. 肝障害時の用量調整

肝機能障害がある場合は推奨されない.

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬剤
アバカビル(ABC)
ラミブジン(3TC)
ジドブジン(ZDV)
分類
ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(NRTI)
NRTI
NRTI
PK/PD指標
データなし
データなし
データなし
Trizivir1錠中の用量
300mg
150mg
300mg
妊婦でのTrizivir使用
ヒト:登録データからは胎児毒性のエビデンスなし.
動物:胎児毒性のエビデンスあり
経口投与のタイミング1
Trizivir錠を食事と関係なく服用
経口吸収率2(%)
86
86
64
Tmax(時間)
1.3
データなし
0.5~1.5
最高血清濃度3(μg/mL)
4.26(600mg SD)
(
用量に注意
2.04(300mg24時間ごとSS)(用量に注意
1~2(300mg SD)
蛋白結合(%)
50
<36
<38
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
1.45
5~7
0.5~3
細胞内半減期4(T1/2, 時間)
20.6
18
11
中枢神経系移行効果(CPE)5
3
2
4
脳脊髄液/血液6(%)
36
データなし
2
分布容積7(Vd)
0.86 L/kg
1.3 L/kg
1.6 L/kg
AUC8(μg・時間/mL)
11.95(AUC0-24
(600mg24時間ごとSS)
11(AUC0-∝
(300mg SD)
2.1(AUC0-∝
(300mg SD)
チトクロームP450相互作用
阻害:CYP1A1
部分的阻害:CYP3A4
基質:PGP, BCRP, MATE1, MATE2-K, OCT2
データなし
  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. 健康な状態での吸収率
  3. 総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
       SD:単回投与後
       SS:複数回投与後の定常状態
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 分布容積(Vd):
      V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能)
      Vss:定常状態におけるVd
      Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アトバコン
ZDV↑
モニター
クラリスロマイシン
ZDV↓
モニター
ドキソルビシン
in vitroでZDVに対して拮抗作用
併用を避ける
エタノール
ABC↑
併用を避ける
フルコナゾール
ZDV↑
モニター
ガンシクロビル
ZVD毒性↑
併用を避ける
インターフェロンα
ZDV毒性↑
併用を避ける
インドメタシン
ZDV毒性代謝物↑
モニター
メサドン
ZDV↑メサドン↓
モニター,メサドンの用量調整
Nelfinavir
ZDV↓3TC↑
モニター
プロベネシド
ZDV↑
モニター
リバビリン
貧血
併用を避ける
リファンピシン
ZDV↓
モニター
リオシグアト
リオシグアト↑
モニター,用量調整
ソルビトール
3TC↓
併用を避ける
ST
3TC↑
モニター
バルプロ酸
ZDV↑
モニター
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2023/01/26