日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Fosamprenavir  (2026/05/19 更新)
FOS-APV

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

用法
通常
用量
未治療:
1400mg経口24時間ごと
(+リトナビル100~200mg経口24時間ごと)
その他の処方用量
既治療:
700mg経口12時間ごと
(+リトナビル100mg経口12時間ごと)
追加的情報
錠剤は食事の影響を受けない

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
6カ月~18歳,ARV未治療患者または既治療患者,体重別
体重<11 kg:45mg/kg(+リトナビル 7mg/kg)12時間ごと
体重11~<15 kg:30mg/kg(+リトナビル 3mg/kg)12時間ごと
体重15~<20 kg:23mg/kg(+リトナビル 3mg/kg)12時間ごと
体重
20 kg:18mg/kg(+リトナビル 3mg/kg)12時間ごと

青少年,ARV未治療患者
700mg(+リトナビル 100mg)12時間ごと,または
1400mg(+リトナビル100~200mg)24時間ごと

青少年,ARV既治療患者
700mg(+リトナビル 100mg)12時間ごと
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
7.7
半減期(時間)(ESRD)
データなし
用量(腎機能正常)
700mg経口12時間ごと
(リトナビル併用の場合)
腎障害時の用量
用量調整不要
血液透析
データなし
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

肝障害があればリトナビル併用はしない

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

  1. PLLR(2015年6月)は,段階的な実施スケジュールに従って以前のリスク区分(A,B,C,D,X)を記述形式に置き換えた(P&T 41: 713, 2016).

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
プロテアーゼ阻害薬(PI)
剤形
錠剤(700mg),経口懸濁液†(50mg/mL)
食事に関する推奨(経口薬)1
錠剤:食事の影響なし
懸濁液:(成人)食事なしで服用,(小児)食事とともに服用
経口吸収(%)
データなし
Tmax(時間)
2.5
最高血清濃度2(μg/mL)
6(700mg12時間ごと,SS)(併用:リトナビル100mg12時間ごと)
蛋白結合(%)
90
分布容積3(Vd)
データなし
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
7.7
排泄
代謝
細胞内半減期(T1/2, 時間)
データなし
脳脊髄液/血液5(%)
データなし
中枢神経系移行効果(CPE)6
3
AUC7(μg・時間/mL)
79.2 (700mg12時間ごと,0~24時間)(併用:リトナビル100mg12時間ごと)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. 炎症時における脳脊髄液濃度
  6. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  7. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

薬剤が基質となるCYP4501
CYP3A4
薬剤が基質となるトランスポーター

薬剤が基質となるUGT

薬剤が阻害するCYP450
CYP3A4
薬剤が阻害するトランスポーター
- 
薬剤が阻害するUGT

薬剤が誘導するCYP450
- 
薬剤が誘導するトランスポーター
-  
薬剤が誘導するUGT
- 
併用薬への影響2

  1. CYP450命名法,例,CYP3A4:3=ファミリー,A=サブファミリー,4=酵素アイソフォーム
  2. 当該抗微生物薬により影響を受ける可能性のある併用薬の血清中濃度のことをいう(↑:上昇,↓:低下).

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
Alfuzosin
Alfuzosin↑
禁忌
アルプラゾラム
アルプラゾラム↑
モニター,用量調整
アミオダロン
アミオダロン↑
モニター,用量調整または避ける
アムロジピン
アムロジピン↑
モニター,用量調整
アトルバスタチン
アトルバスタチン↑
モニター,用量調整
ボセンタン
ボセンタン↑
モニター,用量調整
Ca拮抗薬
Ca拮抗薬↑
モニター
カルバマゼピン
Amprenavir↓
併用を避ける
Clorazepate
Clorazepate↑
モニター,用量調整
コルヒチン(腎/肝領外
コルヒチン↑
禁忌
コルヒチン
コルヒチン↑
モニター,用量調整,または避ける
シクロスポリン
シクロスポリン↑
モニター
デキサメタゾン
Amprenavir↓
併用を避ける
ジアゼパム
ジアゼパム↑
モニター,用量調整
ジルチアゼム
ジルチアゼム↑
モニター,用量調整
ドルテグラビル(DTG)
ドルテグラビル↓
DTGを50mg12時間ごとに増量
エプレレノン
エプレレノン↑
禁忌
麦角アルカロイド
麦角アルカロイド↑
禁忌
エチニルエストラジオール
エチニルエストラジオール↓,Amprenavir↓
他の方法を用いる
フェロジピン
フェロジピン↑
モニター,用量調整
フレカイニド(リトナビル併用のPI)
フレカイニド↑
禁忌
フルラゼパム
フルラゼパム↑
モニター,用量調整
フルチカゾン
フルチカゾン↑
併用を避ける
H2拮抗薬
Amprenavir↓
併用を避ける
イトラコナゾール
イトラコナゾール↑
モニター,用量調整,または避ける
ケトコナゾール
ケトコナゾール↑
モニター,用量調整,または避ける
リドカイン
リドカイン↑
モニターまたは避ける
ロバスタチン
ロバスタチン↑
禁忌
ルラシドン
ルラシドン↑
禁忌
Methadone
Methadone↓
モニター,用量調整,または避ける
ミダゾラム(静注)
ミダゾラム↑
モニター,用量調整
ミダゾラム(経口)
ミダゾラム↑
禁忌
ニカルジピン
ニカルジピン↑
モニター,用量調整
ニフェジピン
ニフェジピン↑
モニター,用量調整
ニソルジピン
ニソルジピン↑↓
モニター,用量調整
パロキセチン
パロキセチン↓
モニター,用量調整
フェノバルビタール
プロテアーゼ阻害薬↓
併用を避ける
フェニトイン(+リトナビル併用なしのFPV)
フェニトイン↓
併用を避ける
フェニトイン(+リトナビル併用のFPV)
Amprenavir↑,フェニトイン↓
モニター,用量調整
ピモジド
ピモジド↑
禁忌
ポサコナゾール
ポサコナゾール↓
モニター
プロパフェノン(+リトナビル併用のPI)
プロパフェノン↑
禁忌(FOS-APV/リトナビル使用の場合)
クエチアピン
クエチアピン↑
モニター,用量調整,または避ける
キニジン
キニジン↑
モニター,用量調整,または避ける
リファブチン
リファブチン(+代謝物)↑
モニター,用量調整
リファンピシン
プロテアーゼ阻害薬r↓
禁忌
サルメテロール
サルメテロール↑
併用を避ける
シルデナフィル(EDに対して)
シルデナフィル↑
モニター,用量調整
シルデナフィル(肺動脈性肺高血圧症に対して)
シルデナフィル↑
禁忌
Simeprevir
Simeprevir↑↓
併用を避ける
シンバスタチン
シンバスタチン↑
禁忌
セイヨウオトギリソウ
プロテアーゼ阻害薬↓
禁忌
タクロリムス
タクロリムス↑
モニター,用量調整
タダラフィル(ED,肺動脈性肺高血圧症に対して)
タダラフィル↑
モニター,用量調整
トラゾドン
トラゾドン↑
モニター,用量調整
トリアゾラム
トリアゾラム↑
禁忌
三環系抗うつ薬(TCA)
TCA↑
モニター,用量調整,または避ける
バルデナフィル
バルデナフィル↑
モニター,用量調整
ベラパミル
ベラパミル↑
モニター,用量調整
Viekira Pak(+リトナビル併用のFPV)
Amprenavir↑,Paritaprevir↑
併用を避ける
ワルファリン
ワルファリン↑↓
INRをモニター,用量調整

7. コメント

より強力な抗レトロウイルス薬が他にあり,それらに比べると有効性が低いため,現在は使用されていない.

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2026/05/18