日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Vibrio parahaemolyticus  (2021/7/27 更新)
海鮮物関連の胃腸炎


臨床状況

  • 河口付近の汽水域に存在する自由生活性の細菌.
  • 海鮮物,特に貝類に関連する胃腸炎の主要な原因となる.
  • 肝臓疾患または糖尿病のある患者では,重度の蜂巣炎,創傷感染,菌血症を引き起こすことがある.
  • 感染の症状:下痢 59%,創傷感染 34%,敗血症 5%,その他.
  • 下痢は通常軽症で自然治癒する.抗菌薬治療は,より重症か虚弱な患者に対して適応となる.
  • 診断:糞便中からの検出には選択培地[TCBS(Thiosulfate Citrate Bile Sucrose)寒天培地]が必要.血液培養ボトル中で増殖する.

病原体

  • Vibrio parahaemolyticus

第一選択

  • 補液が最も重要
  • V. cholerae治療で有効性が証明された薬剤による治療を行う
  • DOXY 100mg静注†または経口1日2回・5~7日
  • 菌血症が疑われる,または確認された場合,およびICU:DOXY 100mg静注†1日2回+CTRX 1g静注1日1回

(†:日本にない剤形)

第二選択

  • AZM 500mg静注または経口1日1回・3日
  • CPFX 500mg経口1日2回・3日

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2021/07/20