日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Gardnerella vaginalis  (2024/10/15 更新)


臨床状況

  • (典型的には)性生活のある女性で,悪臭のある膣分泌物(帯下)を主訴とする(細菌性膣症を参照).
  • 軽度から中等度の灰色がかった膣分泌物で,魚のような臭気がする.pH>4.5
  • 検査では膣の炎症は認められない.
  • かゆみや過敏性はないか,あってもわずか.
  • 銅子宮内避妊器具の使用に伴って有病率が増加している.
  • 膣分泌物の湿式マウント検査では,クルーセル,すなわち多くの球桿菌が付着した膣上皮細胞がみられる.白血球の数が多ければ,重複感染の存在が考えられる.

分類

  • グラム不定球桿菌,通性嫌気性菌

第一選択

  • MNZ 0.5g経口1日2回・7日(2g経口1回は用いないこと)
  • MNZ 0.75%ゲル(5g)を塗布用容器で膣内に毎日塗布・5日
  • CLDM 2%クリーム†(5g)を塗布用容器で膣内に就寝前に塗布・7日

(†:日本にない剤形)

第二選択

  • CLDM ovules 100mgを膣内に1日1回就寝前・3日
  • ovulesは脂肪性基剤を用いているため,ラテックスやゴム製品(コンドームや避妊器具のベッサリーなど)を弱める可能性がある.

コメント

  • 性生活のある女性の50%は G. vaginalisを保菌しているが無症状.
  • G. vaginalisは細菌性膣症に関連するが,それ自体ではなく,Mobiluncus属を含む他の微生物との相互作用が原因となる.
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2024/10/15