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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
Streptococcus anginosus
群
(
2025/06/10 更新
)
臨床状況
Streptococcus anginosus
群(旧
S. milleri
群)は,Viridans streptococciに含まれる3つの異なる種,すなわち
S. anginosus
,
S. intermedius
および
S. constellatus
からなる(
Clin Infect Dis 32: 1511, 2001
;
Front Microbiol 13: 956677, 2022
).
口腔および消化管の常在菌であるが,菌血症および扁桃周囲膿瘍を含む頭頸部感染,脳膿瘍,副鼻腔炎,肺膿瘍,肝膿瘍,膿胸,縦隔炎,心膜炎の原因となりうる.
S. anginosus
群と他のViridans streptococciは膿瘍形成傾向により臨床的に区別される.
Streptococcus
心内膜炎の原因となることはまれ
グラム陽性球菌で,血液寒天培地上でさまざまのパターンの溶血を示す:α,β,γ溶血.
興味深いことに,コロニーはバタースコッチキャンディやキャラメルのようなにおいがすることが多い.
分類
グラム陽性レンサ球菌
S. anginosus
群(旧
S. milleri
群)は3つの種からなる:
S. intermedius
S. anginosus
S. constellatus
第一選択
βラクタム薬に感受性あり:ペニシリン(ただし,耐性の報告がある),セファロスポリン,カルバペネム(
Antimicrob Agents Chemother 45: 1511, 2001
).
用量と薬剤選択は,感染の部位および重篤度による:たとえば,
歯性膿瘍は,外科的ドレナージと
Penicillin VK
500mg経口1日4回食前および就寝前で有効
脳膿瘍では高用量が必要:
PCG
1800~2400万単位静注・4~6時間ごとに分割,または
CTRX
2g静注12時間ごと
第二選択
VCM
は活性があり,第二選択として合理的
治療中に耐性出現の可能性があるため,DAPは避ける(
Antimicrob Agents Chemother 55: 3639, 2011
).
耐性の出現,コメント参照
コメント
容易に耐性が発現するため,フルオロキノロン系は第一選択薬とはされていない(
J Antimicrob Chemother 45: 771, 2000
).
マクロライド系に対する耐性出現のエビデンス(
J Med Microbiol 58: 222, 2009
).
多くの株がアミノグリコシド系に耐性.
スルホンアミドは活性なし.
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2025/06/09