日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Streptococcus anginosus  (2025/06/10 更新)


臨床状況

  • 口腔および消化管の常在菌であるが,菌血症および扁桃周囲膿瘍を含む頭頸部感染,脳膿瘍,副鼻腔炎,肺膿瘍,肝膿瘍,膿胸,縦隔炎,心膜炎の原因となりうる.S. anginosus群と他のViridans streptococciは膿瘍形成傾向により臨床的に区別される.
  • Streptococcus心内膜炎の原因となることはまれ
  • グラム陽性球菌で,血液寒天培地上でさまざまのパターンの溶血を示す:α,β,γ溶血.
  • 興味深いことに,コロニーはバタースコッチキャンディやキャラメルのようなにおいがすることが多い.

分類

  • グラム陽性レンサ球菌
  • S. anginosus 群(旧 S. milleri 群)は3つの種からなる:
  • S. intermedius
  • S. anginosus
  • S. constellatus

第一選択

  • 用量と薬剤選択は,感染の部位および重篤度による:たとえば,
  • 歯性膿瘍は,外科的ドレナージとPenicillin VK 500mg経口1日4回食前および就寝前で有効
  • 脳膿瘍では高用量が必要:PCG 1800~2400万単位静注・4~6時間ごとに分割,またはCTRX 2g静注12時間ごと

第二選択

  • VCM は活性があり,第二選択として合理的
  • 耐性の出現,コメント参照

コメント

  • 多くの株がアミノグリコシド系に耐性.
  • スルホンアミドは活性なし.
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2025/06/09