日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

肝膿瘍-アメーバ性  (2024/08/06 更新)


臨床状況

  • 流行地域の居住者または流行地域からの帰国者で発熱,右上腹部の圧痛.
  • 腹部超音波またはCTで,1つまたは多数の膿瘍がみられる
  • 診断
  • 初期検査の一環としてアメーバ症に対する血清学的検査を肝膿瘍の全患者で行う.
  • 膿瘍液中のアメーバのDNA検出のためのPCRは診断のためのゴールドスタンダードであり,細菌培養が陰性の患者に対して推奨される.
  • 細菌性膿瘍が疑われるかまたは確認された場合は,経皮的ドレナージを行う.

病原体

  • Entamoeba histolytica(コメント参照)

第一選択

  • MNZ 750mg静注または経口1日3回・10日)または(チニダゾール2g1日1回・5日),その後パロモマイシン25~35mg/kg/日経口3回に分割・7日,またはIodoquinol 650mg経口1日3回・20日,またはDiloxanide furoate 500mg経口1日3回・10日を,腸管内のシストを排除するために投与する.

第二選択

  • なし

抗微生物薬適正使用

  • 患者が安定すれば,経口ステップダウンが理にかなっている.

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2024/08/05