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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
ニューモシスチス肺炎(PJP)-小児
(
2019/4/16 更新
)
臨床状況
周産期にHIVに感染した乳児では,ニューモシスチス肺炎(PJP)は3~6カ月で起こることが最も多く,しばしば急激に発症し予後不良である.HIV陽性乳児<1歳では,CD4数≧1500でもリスクが高い.HIV陽性の母親から生まれた乳児はただちにPCRを行って評価すること(妊娠期間中に母親をスクリーニング).
HIV感染の母親から生まれ,HIV陽性あるいはHIV感染が否定できない乳児は4~6週でPJP予防を開始する.
乳児がHIV陰性と推定される場合(たとえば,生後14日,1カ月で行った2回のPCRがともに陰性)は,予防を中止する.
HIV感染小児(年齢>1歳)の持続的PJP予防は免疫段階に依存する.免疫学的カテゴリー3の小児にはすべてで推奨される.医療資源が乏しい場合,WHOは年齢<2歳,WHO臨床病期2,3,4,またはCD4%<25%のHIV曝露のある小児すべてに推奨している.
病原体
Pneumocystis jirovecii(
旧名
Pneumocstis carini
)
第一選択
小児の一次予防
乳児・生後1~12カ月(HIV感染またはHIV感染が否定できない)
ST
(750mg/150mg)/m
2
/日経口・2回に分割し週に連続3日
小児・年齢1~5歳(HIV感染,CD4数<500またはCD4%<15%)
ST
(750mg/150mg)/m
2
/日経口・単回投与・週に連続3日
小児・年齢6~12歳(HIV感染,CD4数<200またはCD4%<15%)
ST
(750mg/150mg)/m
2
/日経口2回に分割・隔日で週3回
第二選択
小児の一次予防,STに忍容性がない場合
ペンタミジン
吸入†300mg月1回・Respirgard II ネブライザーを用いて(年齢≧5歳)
ジアフェニルスルホン
2mg/kg(最大100mg)経口24時間ごと(生後≧1カ月)
アトバコン
30mg/kg経口24時間ごと(生後1~24カ月)
ペンタミジン
4mg/kg静注2~4週ごと(他の薬剤が入手できない場合)
(†:日本にない剤形)
コメント
なし
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2019/04/11