日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Bartonella bacilliformis   (2025/11/11 更新)
オロヤ熱,ペルーいぼ,カリオン病


臨床状況

  • 南アメリカバルトネラ症(カリオン病ともよばれる)は,Bartonella baciliformisによって引き起こされる細菌感染症である.
  • サシチョウバエが媒介
  • ペルーおよびエクアドルにおいてのみ,アンデス渓谷内の海抜500~3200mの地域でのみ流行する.
  • 二相性の疾患.疾患の発生病理から2段階の病期に分けられる
  • 初期の急性期はオロヤ熱とよばれる.血液培養が陽性の発熱性疾患.赤血球および内皮細胞への感染を伴う初期の菌血症を反映する
  • 臨界に達すると,大量の溶血が起こることがある.
  • 1/3の患者は,CD4リンパ球の抑制による日和見感染を起こす
  • 未治療なら死亡率は40%に達する
  • 後期の皮膚症状はVerruga peruana(ペルーいぼ)とよばれる.内皮細胞感染を反映し,新生血管形成を刺激し,続いて皮膚血管丘疹および結節形成を引き起こす.

診断/病原体

診断
  • オロヤ熱:ギムザ染色血液フィルム上で赤血球内桿菌が認められる(38%).
  • 血液培養陽性:血液培養では1~2週間かけてゆっくりと増殖し,特殊な寒天培地と低温培養が必要である
  • 免疫蛍光アッセイではまとめると86%陽性
  • 血液PCRは急速に利用可能になってきた.
  • ペルーいぼ:診断は主に臨床的.疑いがあれば皮膚生検をやってもよい.
病原体
  • Bartonella bacilliformis

第一選択

  • 治療推奨は観察研究と症例報告に基づく.臨床試験データはない.
  • オロヤ熱,成人:
  • 合併症のない成人:CPFX 500mg経口1日2回・14日.より重症の感染では,CTRX 1g静注1日1回を併用してもよい
  • より重症で合併症がある成人の場合
  • CP 50~75mg/kg/日(最大3g)経口または静注4回に分割・14日,CTRX 1g静注1日1回・10~14日を併用
  • ペルーいぼ,成人
  • 合併症なし:AZM 500mg経口1日1回・7日
  • 合併症あり:CPFX 500mg経口または静注1日2回・7~10日
  • 注:CPは活性がない
  • オロヤ熱,小児:
  • 合併症なし:CPFX 20mg/kg経口2回に分割・14日(最大1g/日)
  • 合併症あり/重症:CP 50~75mg/kg/日(最大2g/日)経口または静注4回に分割・10~14日,CTRX 50~75mg/kg(最大1g/日)静注1日1回・10~14日を併用
  • ペルーいぼ,妊婦:AZM 500mg/kg 1日1回・7日
  • ペルーいぼ,小児:
  • AZM 10mg/kg(最大500mg/日)経口1日1回・7日
  • CPFX 20mg/kg(最大1g/日)経口2回に分割・14日

第二選択

  • なし

治療期間

  • 上記処方参照

コメント

  • 活性が低いとの報告のある薬剤:VCM,CLDM,アミノグリコシド系,IPM/CS
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2025/11/10