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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
結核-肺外結核
(
2023/10/24 更新
)
臨床状況
M. tuberculosis
薬剤感受性株による肺外結核.
リンパ節炎,心外膜炎,尿路性器結核,結核性胸水,播種(粟粒)結核,腹膜結核.
HIV/AIDS患者では肺外結核が多くみられる(
Semin Respir Crit Care Med 34: 32, 2013
).
中枢神経系の感染症は
中枢神経系結核
を参照.
骨および関節の感染症は,結核-
脊椎結核
および
関節炎
を参照.
病原体/診断
病原体
Mycobacterium tuberculosis
診断
Xpert MTB/RIF検査(Cepheid)の感度は,リンパ節
M. tuberculosis
の検出では83%,
M. tuberculosis
髄膜炎の検出では81%だが,結核性胸膜炎ではわずか46%だった(
Eur Respir J 44: 435, 2014
).
第一選択
肺結核の第一選択と同じだが,中枢神経系結核および骨の結核ではより長期の治療が必要になる
コルチコステロイド(下記コメント参照)
中枢神経系結核では強く推奨される
一部の患者では収縮性心膜炎予防のために使用を考慮する
抗レトロウイルス治療中のHIV患者では,免疫再構築症候群(IRIS)の治療に有用なことがある.
第二選択
肺結核の第二選択と同じ
コメント
HIV検査を行う.
6カ月の処方はおそらく効果的だが,中枢神経,播種,骨感染では9~12カ月処方が標準となっている
米国小児科学会は,孤立性の頸部リンパ節炎や腎病変には6カ月,髄膜炎,粟粒結核,骨/関節病変には12カ月治療を推奨している.
IDSAはリンパ節,胸膜,心膜,性器・泌尿器,腹膜の結核には6カ月の治療を推奨している.
DOT(直接管理下で行う治療/服薬)が望ましい.
中枢神経系結核に対するコルチコステロイド補助療法
成人:デキサメタゾン0.4mg/kg/日・第1週,0.3mg/kg/日・第2週,0.2mg/kg/日・第3週,0.1mg/kg/日・第4週,その後減量し3~4週かけて終了
小児:デキサメタゾン0.6mg/kg/日またはプレドニゾロン4mg/kg/日・4週,その後減量し4週間かけて終了
心膜炎に対するコルチコステロイド補助療法
Prednisoneは心膜炎および入院の発生率を減少させるが,死亡,タンポナーデ,収縮性心膜炎の複合エンドポイントは減少させない(
N Engl J Med 371: 1121, 2014
).
この試験での使用容量:プレドニゾロン6週:120mg/日・第1週,90mg/日・第2週,60mg/日・第3週,30mg/日・第4週,15mg/日・第5週,5mg/日・第6週.
他の試験での使用容量:最初の4週は60mg/日,第5~8週は30mg/日,第9~10週は15mg/日,第11週は5mg/日(
QJ Med 96: 593, 2003
参照)
ATS/CDC/IDSAガイドラインは,大量の心嚢液貯留,心嚢液内の炎症性細胞またはマーカーの上昇,収縮性心膜炎の初期徴候があるなどの炎症性合併症リスクが高い患者には,コルチコステロイドの選択的使用を推奨している(
Clin Infect Dis 63: e147, 2016
).
IRISに対するコルチコステロイド補助療法については,
結核-HIV陽性/AIDS患者
を参照.
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2023/10/23