日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版 |
COVID-19, 外来患者治療 (2024/07/30 更新) |
臨床状況
重症度 |
指標 |
無症候性 |
症状なし |
軽症 |
発熱,咳,喉の痛み,悪心/嘔吐,下痢,味覚または嗅覚喪失があるが呼吸困難はない.酸素飽和度正常で胸部X線上も正常 |
中等症 |
軽症症状+下気道感染の所見(検査および/または画像),室温での酸素飽和度≧94% |
重症 |
中等症症状だが酸素飽和度<94%,PaO2/FiO2<300mmHg,呼吸数>30breaths/分,肺浸潤>50% |
重篤 |
重症症状だが呼吸不全で挿管中,敗血症性ショック,および/または多臓器不全 |
診断/病原体
治療
第一選択
種類 |
薬剤 |
用量/期間 |
適応 |
コメント |
抗ウイルス |
パキロビッド(ニルマトレルビル・リトナビル) |
ニルマトレルビル 300mg(150mg錠2錠)+リトナビル 100mg(1錠),計3錠経口1日2回 |
1つ以上の重症化リスク因子(肥満,年齢>60歳,糖尿病,心血管疾患)のある軽症~中等症の成人患者 |
薬物間相互作用に注意(リトナビルは強力なCYP3A4阻害薬) 治療最終投与後3~4日にパキロビッドリバウンド(症状の再燃)が起こる.リバウンドの発症率はパキロビッドとプラセボで差がない.再治療は適応とならない. |
抗ウイルス |
モルヌピラビル |
800mg(200mgカプセル4錠)経口12時間ごと・5日,食事の影響を受けない |
SARS-CoV-2ウイルス検査陽性で,少なくとも1つの重症化リスク因子(たとえば,肥満,年齢>60歳,糖尿病,心血管疾患,免疫不全その他,上記リスト参照)のある年齢>12歳以上の患者 |
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抗ウイルス |
レムデシビル |
成人(体重>40kg):初回200mg静注・1日目,その後維持用量100mg静注1日1回,各回30~120分以上かけて投与 外来治療期間は,免疫不全でなければ3日,その後5日治療 |
中等症の外来患者および重大な免疫不全が背景にある患者(リツキシマブ[および類似薬]使用,抗がん化学療法・免疫療法中,移植患者),特に薬物相互作用でパキロビッドが使用できない場合. |
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コメント