日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

COVID-19-曝露前/後予防  (2024/08/20 更新)


曝露前

高リスク者に対するCOVID-19一次予防/曝露前予防
米国FDAは,流行しているオミクロン変異株を含むSARS-CoV-2に対して活性のある試験中のモノクローナル抗体薬Pemivibartに関する緊急使用許可(EUA)を出し,COVID合併症リスクが高い場合のSARS-CoV-2に対する一次予防としての使用を認めた.先行するモノクローナル抗体薬Tixagevimab+Cilgavimabは,SARS-CoV-2オミクロン変異株に対する有効性がないためEUAを取り消された.
  • Pemivibartが適応となるのは,成人および青少年(12歳以上で体重≧40kg)で,現在SARS-CoV-2に感染はしておらず,活動性SARS-CoV-2感染者との直近の明らかな接触はないが,背景疾患,免疫抑制剤の使用,COVID-19ワクチン接種による十分な免疫反応を導入する可能性を低くするような治療などにより中等度~重度の免疫不全状態にある場合である.
  • Pemivibartは60分以上かけて静注する.3ヵ月ごとの再投与が推奨される.
  • Pemivibartが推奨されるのは,曝露前予防としてだけである.
  • Pemivibartは,曝露後予防,現症の活動性SARS-CoV-2感染治療には承認されていない

曝露後

NIHガイドライン(2022年12月1日)は,オミクロン変異株およびその亜種はBamlanivimab+Etesevimabおよびカシリビマブ・イムデビマブに感受性がなく,これらの変異株が米国で蔓延している主要なSARS-CoV-2変異株であることから,Bamlanivimab+Etesevimabおよびカシリビマブ・イムデビマブはPEPに使用すべきでないとしている.

関連項目

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2024/08/19