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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
肺炎-
Nocardia
属
(
2024/07/09 更新
)
Nocardia
肺炎の特異的治療
臨床状況
免疫不全患者における肺炎.
Nocardia
属の培養陽性.
病原体
ヒトの感染においては40種以上の
Nocardia
が同定されている(
Clin Microbiol Rev 19: 259, 2006
;
Clin Microbiol Rev 35: e0002721, 2022
).下のリストはもっとも多くみられるもの
Nocardia nova
complex
Nocardia farcinica
Nocardia cyriacigeorgica
Nocardia brasiliensis
Nocardia abscessus
第一選択
ST
(トリメトプリムとして)15mg/kg/日を静注/経口・2~4回に分割+
IPM/CS
500mg静注6時間ごと・3~4週,その後
ST
10mg/kg/日静注または経口2~4回に分割・3~6カ月
第二選択
(
IPM/CS
500mg静注6時間ごと+
AMK
7.5mg/kg静注12時間ごと)・3~4週,その後
ST
経口
コメント
Nocardia
属はCNSと関連する傾向がある. 肺ノカルジア症の患者には,脳の画像診断(CTまたはMRI)を行うべき.
in vitroでの抗菌薬の活性を確認するために,種同定および感受性試験が推奨される.
抗菌薬の感受性は種によって異なる.
N. farcinica
はCTRXに耐性のため,この菌による感染症にCTRXは用いないこと.
STはすべての属に対する選択薬の1つ.in vitroでの耐性増加の報告があるが(
Clin Infect Dis 51: 1445, 2010
),これがアウトカム悪化と関連しているかは不明であり,MICエンドポイントの解釈の難しさを反映している可能性もある(
J Clin Microbiol 50: 670, 2012
).
ST,AMK,LZDへの耐性はまれ.
LZDはin vitroでは高活性であり(
Clin Microbiol Infect 17: 690, 2011
;
Clin Microbiol Infect 12: 905, 2006
),臨床データはわずかだがin vivoでの有効性を示唆している(
Open Forum Infect Dis 7: ofaa090, 2020
).治療期間は毒性によって限定されるだろう.
TZDはinvitroで活性があり,おそらく忍容性が高いが,使用は症例報告のみであり有効性は十分に確認されていない(
J Infect Chemother 28: 1172, 2022
).
一部の種に対しin vitroで活性を示す他の薬剤もあるが,有効性に関するデータは少ない:AMPC/CVA, CTRX, CAM, MINO(
Clin Microbiol Infect 17: 690, 2011
;
Clin Microbiol Infect 12: 905, 2006
;
Medicine (Baltimore) 88: 250, 2009
).
スルホンアミド耐性株の場合,あるいは患者がサルファ剤アレルギーの場合,AMK+(IPM/CS,MEPM,CTRXのうちいずれか1剤)を用いる.
治療期間:免疫正常なら3カ月,免疫不全なら6カ月.
感受性試験に関する電話相談:Wallace Lab (+1) 903-877-7680;CDC (+1) 404-639-3158.
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2024/07/09