日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

肺炎-Chlamydophila  (2025/12/23 更新)
Chlamydophila pneumoniae ,クラミジア肺炎


臨床状況

  • ほとんどの感染は無症状
  • 発熱,乾性咳嗽を伴う非定型の市中肺炎(CAP)を引き起こし,重症度は軽度で自然治癒するものから重症肺炎までを含む.
  • おそらく非定型肺炎の原因菌としてはMycoplasmaに次いで2番目に多い.
  • 咽頭炎,副鼻腔炎,気管支炎の原因にもなる.

病原体/診断

病原体
  • Chlamydophila pneumoniae(以前のChlamydia pneumoniae
診断
  • PCRはもっとも迅速な感度の高い検査方法である.マルチプレクスPCRパネルの一部となることが増えている.
  • 血清学的方法が使用可能.疫学研究には有用だが,セロコンバージョンを示すには時間がかかる.
  • Chlamydophila感染と一致する臨床症状がなければならない.

第一選択

  • AZM 初日500mg経口または静注,その後250mg経口1日1回・4日
  • LVFX 750mg経口または静注・5~7日

第二選択

  • DOXY 100mg経口または静注†1日2回・5~7日
  • CAM 500mg1日2回・7日

(†:日本にない剤形)

治療期間

  • 上記処方参照.

コメント

  • マクロライド系薬による経験的治療は初期の臨床反応率を改善するが,全体的なアウトカムには影響を与えないようである(Int J Antimicrob Agents 50: 247, 2017).
  • C. pneumoniaeに関連する多数の疾患がある.たとえば喘息,慢性気管支炎の急性増悪,アテローム性動脈硬化症,冠動脈疾患,多発性硬化症.対照比較研究はない.
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2025/12/22