日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Mycobacterium marinum  (2024/08/27 更新)
非結核性抗酸菌


臨床状況

  • 「水槽」肉芽腫
  • 単独の丘疹結節,いぼ状あるい潰瘍化した肉芽腫性病変を特徴とする皮膚感染症で,通常は手あるいは前腕部に発症する.
  • 水族館,魚,遊泳プールその他,水との接触歴があることが多い.
  • 皮膚生検により診断が確定する:28~30℃の培養で最もよく増殖する.
  • 可能なら外科的切除が推奨される.

病原体

  • Mycobacterium marinum

第一選択

  • 活性のある薬剤を2剤
  • CAM 500mg経口1日2回+EB 25mg/kg経口24時間ごと
  • RFP 600mg経口24時間ごと+EB 25mg/kg経口24時間ごと

第二選択

  • 病変が皮下組織まで及んだ場合は,少なくとも最初は3剤併用治療の使用を考慮する,たとえばRFP 600mg経口24時間ごと+ EB 25mg/kg経口24時間ごと+ CAM 500mg経口1日2回
  • RFPに代えてRBT 300mgを用いてもよい

抗微生物薬適正使用

  • 治療期間は確立していないが,免疫機能正常患者では皮膚病変の消失後1~2ヵ月,免疫機能不全患者では少なくとも合計6ヵ月治療を行う.
  • INHおよびPZAに耐性.
  • in vitroでLZD,MFLXに感受性だが,in vivoでの有効性は確立されていない.

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2024/08/26