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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
角膜炎-ウイルス性
(
2024/04/09 更新
)
ウイルス性角膜炎,角膜の感染
臨床状況
角膜のウイルス感染.
H. simplex
(HSV)感染では蛍光色素染色で樹状の上皮病変がみられる.
アデノウイルス結膜炎の合併に伴い,アデノウイルスも病原体として認識されつつある(
Curr Opin Ophthalmol 29: 365, 2018
)
他の病原体による角膜炎との鑑別(
Ophthalmology 124: 1678, 2017
).
病原体
単純ヘルペスウイルス(1型,2型)
水痘・帯状疱疹ウイルス
アデノウイルス
第一選択
単純ヘルペスウイルス:
Trifluridine
点眼 1~2時間ごとに1滴,最大1日9滴・再角質化まで,その後4時間ごとに1滴最大1日5回,全治療期間21日まで.
水痘・帯状疱疹ウイルス:
ファムシクロビル
500mg経口1日3回または
バラシクロビル
1g経口1日3回・10日.
アデノウイルス:対症療法.有効性が証明されている抗ウイルス薬はない.1%Providone-iodineと0.1%デキサメタゾンの点眼治療が有効であることが示された(ステロイド点眼を行う場合には,つねに眼科専門医に意見を求め,その指示に従うこと).
第二選択
単純ヘルペスウイルス
ガンシクロビル
0.15%ゲル† 患眼に1滴1日5回・角膜潰瘍が治癒するまで,その後1滴1日3回・7日
アシクロビル
3%軟膏1日5回が米国外では第一選択治療
アシクロビル
400mg1日5回または
バラシクロビル
1000mg1日2回
水痘・帯状疱疹ウイルス:
アシクロビル
800mg経口1日5回・10日
(†:日本にない剤形)
コメント
単純ヘルペスウイルス(
Clin Exp Ophthalmol 44: 824, 2016
参照)
2年以内の再発率は約30%.
アシクロビル 400mg経口1日2回・1年による二次予防で再発率が低下(
Arch Opthal 130: 108, 2012
;
N Engl J Med 339: 300, 1998
).バラシクロビル500mgも有効.
重症患者や免疫不全患者には,単純ヘルペスウイルスに対する経口治療の追加を検討する.たとえばアシクロビル 400mg経口1日5回.
水痘・帯状疱疹ウイルス:
通常臨床所見により診断する.三叉神経眼枝の水痘・帯状疱疹患者では蛍光色素染色で樹状に染色される.
アデノウイルス:
Cidofovir点眼は1週間を超えて用いると,まれに涙小管閉塞に関連することがある.
耐性が懸念される.
Zalcitabine局所投与が研究されている.
治療は必ず眼科医の管理下で行うこと.
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2024/04/08