false
日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
インフルエンザ-予防
(
2026/03/10 更新
)
免疫,予防,インフルエンザワクチン
臨床状況
予防のための主要な手段であれば,インフルエンザワクチンを接種:
インフルエンザ,ワクチン
を参照.
抗ウイルス薬による化学予防(
CDCの推奨
および2018年のIDSAガイドライン:
Clin Infect Dis 68: e1, 2019
参照)
CDCおよびIDSAは,抗ウイルス薬による化学予防を広範囲またはルーチンに行うことは推奨していない.ただし,介護施設居住者は例外である.居住者では施設内でのインフルエンザ症例多発(2例以上の発症と定義される)を抑えるための複数の介入の1つとして予防接種を受けなければならない.
介護施設でのインフルエンザ症例多発を制御するために曝露後予防が行われなければならない.
合併症リスクが非常に高く(たとえば重度の免疫不全),インフルエンザワクチンが禁忌,使用できない,ワクチンの効果が低いと予想される場合,家庭内での曝露の場合は,化学予防を考慮する.
曝露後に抗ウイルス薬による化学予防を受けたが症状が発現した患者では,インフルエンザ検査を行い,抗ウイルス薬処方に切り替える(耐性プロファイルが異なる抗ウイルス薬による処方が望ましい)
被曝露者のインフルエンザ合併症リスク,接触のタイプと期間,地域または公的保健機関の推奨,臨床的判断に基づいて決定する.
曝露後化学予防(1日1回投与)は,直近の曝露から48時間以内に抗ウイルス薬を開始できる場合にのみ行う.疑わしい場合には,1日2回投与とする.
多くの場合,患者自身による早期の経験的治療は,化学予防の有効な代替手段である.
インフルエンザ合併症のリスクは以下のような場合に高い:
2歳未満の小児
年齢>65歳の成人
肺,心血管,腎臓,肝臓,血液,代謝系,神経系の慢性疾患がある,重度の発達障害,精神遅滞
免疫抑制,移植,HIV感染
妊婦あるいは出産後2週間以内の女性
年齢<18歳で長期のアスピリン治療を受けている
アメリカ先住民/アラスカ先住民
病的肥満(たとえば,BMI>40)
老人ホームおよび他の長期介護施設の入居者
造血幹細胞移植および固形臓器移植患者では,合併症のリスクがもっとも高い.
病原体
インフルエンザウイルス
第一選択
年齢5歳~成人
オセルタミビル
75mg経口24時間ごと・曝露後48時間以内.不確かな場合は75mg経口12時間ごと
ザナミビル
吸入2回(1回5mg)1日1回・最終曝露が確認されてから7日
5歳以上では,
バロキサビル
40mg経口1回(>80kg:80mg).
第二選択
ラニナミビル
年齢≧10歳~成人:40mg,年齢<10歳:20mg吸入1回が日本で承認されている.臨床試験でオセルタミビルに対する非劣性が示された:
Clin Infect Dis 51: 1167, 2010
.
コメント
バロキサビルは家庭内曝露が確認された後の曝露後予防として86%有効であり(発病率1.9%対13.6%),オセルタミビルおよびザナミビルの過去の研究結果と同様であった.
家族内の初発例の治療は,高リスク家族のリスクを低減する可能性がある.ランダム化対照比較試験では,バロキサビルの単回経口投与により濃厚接触者へのインフルエンザウイルス感染率が32%低下した:
N Engl J Med 392: 1582, 2025
.
高リスク例でワクチン接種後2週間以内,市中での流行がピークの期間,高リスク集団でワクチン接種ができない場合の流行制御には,オセルタミビルまたはザナミビルによる化学予防を考慮しうる(
Clin Infect Dis 68: e1, 2019
).
【
日本の情報
】国立感染症研究所-
インフルエンザ予防接種スケジュール
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2026 Life Science Publishing
↑ page top
2026/03/10