日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

単純ヘルペス-ベル麻痺  (2022/10/11 更新)


臨床状況

  • ベル麻痺:顔面筋力低下(第7脳神経,末梢神経).

病原体

  • 単純ヘルペスウイルス(HSV)1および2型(最もよくみられる)
  • 他の病原体:水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV),ヒトヘルペスウイルス(HHV)-6,ライム病

第一選択

  • 麻痺発症後ただちに:Prednisone 1mg/kg経口1日2回に分割・5日,その後続く5日間で5mg 1日2回にまで減量(合計10日間のPrednisone治療)+下記のどれかを追加
  • アシクロビル1600~2400mg/日経口(4時間ごとに分割)・10日,または

第二選択

  • コルチコステロイドのみ(上記の併用治療ほどの効果はない)

コメント

  • ライム病の流行地ではライム病を除外することが重要;治療法が異なる(ライム病-概説参照).
  • システマティックレビューやメタアナリシスではステロイド+抗ウイルス治療の併用の有用性がはっきりと示されている(Laryngoscope 2021).
  • 米国耳鼻咽喉科頭頸部外科学会(AAO-HNS)と米国神経学会(AAN)(注:それぞれ別々にガイドラインを出していた)間の調整結果:Neurology 82: 1927, 2014
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2024 Life Science Publishing↑ page top
2022/10/06