• プレジコビックスはダルナビル（DRV）＋コビシスタット（Cobi）の合剤であり，HIV-1の治療に用いられる．
  
• 個々の薬剤に特異的なデータについては，それぞれの項目を参照：
  

• ダルナビル
  
• コビシスタット
  

• 多くの副作用がある．抗レトロウイルス薬－概説を参照．
  
• 他のプロテアーゼ阻害薬，エルビテグラビルとの併用は，抗レトロウイルス薬の血漿中濃度低下，治療効果消失，耐性発現の可能性があるため推奨されない．
  
• ダルナビルおよびコビシスタットの実質的な曝露量が低いため，妊婦での使用は推奨されない．妊婦ではプレジコビックスで治療を開始しないこと．またプレジコビックス治療中に妊娠した女性では他の処方を用いる．
  
• 注意：多くの薬物相互作用がある（下表参照，すべてを網羅しているわけではない）
  

錠：ダルナビル800mg＋コビシスタット150mg

• 体重およびクレアチニンクリアランス（CrCl）推定値の計算法
  
• CAPD: 持続的携行型腹膜透析， CRRT: 持続的腎代替療法，SLED: 長時間低効率血液透析
  

CrCl＜70ではテノホビルは使用しない．

• 重症肝障害では推奨されない．
  

副作用

• それぞれの薬剤（ダルナビル，コビシスタット）を参照．
  
• 最も多いもの：下痢，悪心，発疹，頭痛，腹痛，嘔吐
  
• 肝毒性，重症皮膚反応，クレアチニンクリアランス低下，腎障害（テノホビルとの併用で），サルファアレルギー，高血糖，体脂肪再分布，免疫再構築症候群（IRIS），血友病患者での出血
  

妊娠時のリスク

• FDAリスク区分（新）：推奨されない（DRV/Cobi曝露↓）
  
• 授乳中の使用：ARTがなされていて，妊娠期間を通じてウイルス量が抑制されていれば，リスクと有用性についてのカウンセリングを行った上での乳児哺乳は合理的な選択肢となる．
  

• HIV
  

1. 注記のない場合は成人用経口製剤
   
2. SD：単回投与後，SS：複数回投与後の定常状態
   
3. V/F：（Vd）÷（経口生物学的利用能），Vss：定常状態におけるVd，Vss/F：（定常状態におけるVd）÷（経口生物学的利用能）
   
4. CrCl＞80 mL/分と想定
   
5. 炎症時における脳脊髄液濃度
   
6. CPE（中枢神経系移行効果）値　1：低度，2～3：中等度，4：高度（Letendre, et al., CROI 2010, abs #430）
   
7. AUC：血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve