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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
Peptoniphilus
属,
Finegoldia
属
(
2023/1/24 更新
)
臨床状況
Peptoniphilus
属(15以上の種を含む),
Finegoldia
属
旧名:
Peptostreptococcus
属
上気道,咽頭,消化管および膣の正常細菌叢の一部をなす嫌気性
Streptococcus
である.
歯周炎,子宮内膜炎などの局所感染や菌血症が起こりうる.
菌血症は,脳膿瘍,心内膜炎,あるいは他のさまざまな病巣感染を合併することがある.
分類
嫌気性
Streptococcus
P. anaerobius
P. stomatis
上記2種はin vitro感受性がいくらか異なるようである(
Antimicrob Agents Chemother 51: 2205, 2007
).
Finegoldia magna(
Anaerobe 61: 102111, 2020
)
第一選択
PCG
の用量は感染部位による.髄膜炎/脳膿瘍では1800万~2400万単位/日の高用量を用いる.
水性PCG 300万単位静注4時間ごと・4週間で,嫌気性菌による心内膜炎が治癒したという症例報告が1件ある(
Am J Med Sci 342: 174, 2011
).
第二選択
MNZ
500mg静注8時間ごと
CLDM
の用量は感染部位による.静注用量は600~900mg 8時間ごと(コメント参照).
コメント
フランスの1つの研究では,CLDM耐性は28%であることが報告されたが(
Int J Antimicrob Agents 10: 229, 1998
),別のin vitro研究では,すべてではないが多くの分離株がCLDM,MFLX,MNZおよびペニシリンに感受性であった(
Antimicrob Agents Chemother 51: 2205, 2007
).
LZDで脳膿瘍の治療に成功したという症例報告が1件ある(
Scand J Infect Dis 38: 203, 2006
).
15例の
Peptoniphilus
血流感染の症例シリーズ(
Clin Microbiol Infect 20: O857, 2014
).
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2023/01/19