日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Plesiomonas shigelloides  (2024/07/09 更新)
旧名 Aeromonas shigelloides


臨床状況

  • 土壌および水中にみられる.生の魚介類摂取後に腸疾患を引き起こす.特に温度の高い淡水または汽水中にみられる.
  • Shigella属と交差抗原(特にS. sonnei)であるため“shigelloides"と呼ばれる.
  • 水様下痢から血便や発熱まで臨床症状はさまざま.
  • 特に免疫不全者や肝胆病変の患者において腸管外感染を引き起こしうる.

分類

  • グラム陰性桿菌,通性嫌気性,非乳糖発酵菌
  • 旧名 Aeromonas shigelloides

第一選択

  • 水分補給
  • CPFX(400mg静注または750mg経口)1日2回.投与期間は疾患の重症度による.軽症の下痢では3日の治療で十分な場合もある.

第二選択

  • 水分補給
  • 重症:感受性検査結果に基づき,CTRX 2g静注1日1回またはカルバペネム系薬
  • 比較的重症度が低い場合:AMPC/CVA 875/125mg 経口1日2回
  • 治療期間は臨床反応による

抗微生物薬適正使用

  • 抗菌薬治療を行った全例で感受性検査を行う.
  • ほとんどの株はABPC,PIPC,アミノグリコシド系,テトラサイクリンに耐性.

コメント

  • ST,EMへの耐性が報告されている.
  • 特に夏の暑い時期には,生の,あるいは十分に調理されていない貝は避ける.
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2024/07/09