日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

トキソプラズマ症-概説  (2026/06/09 更新)


概説

  • Toxoplasma gondiiは細胞内寄生性原虫である.全世界の人口の1/3以上は感染している(血清陽性率に反映されている).有病率は世界的にばらつきがあり,全体的な血清有病率は低下している:Am J Trop Med Hyg 98: 551, 2018
  • 症状
  • 免疫正常者では,通常初期感染は無症候だが,眼疾患が起こる.
  • 免疫不全患者では脳炎,脳膿瘍,播種性感染が起こることがある.
  • HIV感染患者での日和見感染の重要な原因(AIDS関連日和見感染)
  • 北半球では3つの遺伝型が多いが,世界の他の地域では遺伝型はより多様である.南アメリカの遺伝型は病原性が高く,ブラジルおよびラテンアメリカの患者では有症候性が多い.
  • ヒトへの感染は以下のように起こる.
  • ネコ糞便からのオーシストに汚染された食物や水の摂取(二枚貝やカキでオーシストが濃縮されることがある)
  • 加熱が不十分な獣肉(牛肉,ラム肉など)からのシストの摂取
  • 狩猟肉(鹿肉)の摂取に関連するより重症の症例多発が米国で報告された.
  • 感染した母から胎児への伝播(先天性トキソプラズマ症,TORCH症候群の“T")
  • 感染したドナーからの輸血や臓器移植
  • 後部ぶどう膜炎の感染性原因としてもっとも多く(特に南アメリカ),網膜(脈絡網膜炎,網脈絡膜炎ともよばれる)や視神経に及ぶこともある.
  • 潜在性感染は生涯続くと考えられる.
  • 潜在性感染(組織内シストの虫体(bradyzoites))の再活性化は,免疫不全患者での臨床的トキソプラズマ症の原因と考えられる.

診断

  • 通常PCRが陽性ならば,眼,中枢神経系,先天性,播種性病変におけるPCRは有用.特異度は高いが感度は低い.
  • 血液を含む体液のメタゲノミクスで診断が可能
  • 血清陽性免疫抑制患者(特に造血幹細胞移植)の感染モニターには通常PCRが用いられるが,どの施設でも可能なわけではない.定量PCRの予測値については,Clin Infect Dis 81: 561, 2025参照
  • Chicago National Collaborative Treatment Trial Study +1 312-513-6365またはrmcleod@bsd.uchicago.eduは,小児の臨床診断または治療を支援する(あるいは薬剤の入手の助言をする).

関連項目

  • リンパ節腫脹,単核球症
  • 先天性トキソプラズマ症
  • 妊婦のT. gondii感染
  • 眼トキソプラズマ症(脈絡網膜炎,網脈絡膜炎ともよばれる)
  • まれに病毒性の強い遺伝型による播種性感染
  • 脳炎/脳膿瘍
  • 眼トキソプラズマ症(脈絡網膜炎,網脈絡膜炎ともよばれる)
  • まれに播種性感染
  • 脳炎/脳膿瘍
  • 眼トキソプラズマ症(脈絡網膜炎,網脈絡膜炎ともよばれる)
  • 播種性
  • 臓器移植および造血幹細胞移植における感染
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2026/06/08