日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

妊婦におけるCMV感染  (2024/05/28 更新)


臨床状況

  • 妊婦におけるサイトメガロウイルス(CMV)感染.新規の感染としても再活性化としても起こりうる.
  • 保育施設に勤務している,低年齢の子どもがいる,またはCMVを排出している子どもがいる女性で血清抗体陰性の場合,新規感染のリスクが大きい.
  • 新規感染の方が再活性化よりも乳児への感染伝播のリスクは高い.
  • 2歳未満の小児との接触はリスクを増大させる.
  • 急性単核球症様症状がある,または超音波検査でCMVによる異常が検出された妊婦では,急性感染の検査を行う.
  • 妊婦のルーチンのスクリーニングについては現在研究中である.

病原体

  • サイトメガロウイルス(CMV)

第一選択

  • 対症療法
  • 質の高くないエビデンスではあるが,妊娠第1期の急性初期感染中にバルガンシクロビル8000mg/日は先天性感染を抑制しうるという報告がある(Am J Obstet Gynecol 230: 109, 2024).

第二選択

  • なし

コメント

  • 年少の幼児と接触がある女性での予防手段として,よだれとの接触を避ける,よだれや尿に接触したら手洗いを行う,幼児と飲食物を分け合わない,おしゃぶりを母親の口に入れないなどがある(Lancet Infect Dis 17: e177, 2017
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2024/05/27