false
日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
ヒト鞭虫
(
2026/02/03 更新
)
臨床状況
鞭虫感染
糞口感染
通常は無症状:重症感染では非特異的な腹部症状を呈する.
直腸脱を起こすことがある.
診断/病原体
診断
便検査で卵検出
成虫は肉眼でもかろうじて見える
病原体
Trichuris trichiura
第一選択
メベンダゾール
100mg経口1日2回・3日(治癒率~70%)
小児:
WHOは1歳以上の小児でのメベンダゾール使用を認めている
CDCは年齢>2歳の小児については限られたデータしかないとしている
妊婦:
WHOは妊娠第2期,第3期でのメベンダゾール使用を認めている.FDA妊娠リスク区分はC.
メベンダゾールが乳汁中に分泌されるかどうかは不明
第二選択
アルベンダゾール
400mg経口1日1回・3日
アルベンダゾールは,授乳中の女性では慎重に使用しなければならない
イベルメクチン
200μg/kg経口1日1回・3日
反応が乏しい場合
アルベンダゾール/イベルメクチン併用で3日間治療すると,しばしば同時感染する鞭虫,鉤虫,糞線虫の治癒率が上昇する(
Lancet Infect Dis 25: 478, 2025
)
治療期間/抗微生物薬適正使用
治療期間
上記処方参照.
抗微生物薬適正使用
他の糞便蠕虫とは違って,
Trichuris
に対してはメベンダゾールのほうがアルベンダゾールよりも明らかに優れている(
PLoS One 6: e25003, 2011
;
N Engl J Med 370: 610, 2014
).
鉤虫の同時感染が除外できない場合はアルベンダゾールを用いる.
土壌感染蠕虫に対する集団治療キャンペーンで用いられた,メベンダゾール500mg小児用チュワブル錠1回投与の有効性に関する最近のデータ:
Am J Trop Med Hyg 97: 1851, 2017
.
公衆衛生プログラムで用いられるアルベンダゾールまたはメベンダゾールの単回投与は治癒率が低く,
Trichuris
に対する治療としては適当でない.
コメント
剤形および入手可能性
メベンダゾール500mg錠(Vermox)はFDAにより承認されているが,米国内では販売されておらず,企業からの提供でのみ入手可.
アルベンダゾール(Albenza)とメベンダゾール(Enverm)はAmnealから販売されているが,薬価が非常に高く,一般の薬局では入手しにくい.
ピランテルパモ塩酸
は妊婦でも安全だが,鞭虫や鉤虫には無効
公衆衛生プログラムの単回投与で用いられる第二選択薬との併用治療:アルベンダゾール+Oxantel pamoate(米国では入手不可)がもっとも効果的な組み合わせ(
Lancet Infect Dis 15: 277, 2015
).
Oxantel pamoateに関する総説:
Drugs 81: 907, 2021
.
Emodepsideは期待される実験薬で,タンザニアにおいて鉤虫に対してすぐれた効果を示した:
N Engl J Med 388: 1863, 2023
.
アルベンダゾールにMoxidectin(より良い)またはイベルメクチンを追加すると鞭虫の卵が約85%から96~99%減少した(
Lancet Infect Dis 25: 1325,2025
).
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2026 Life Science Publishing
↑ page top
2026/02/02