日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版 |
アルベンダゾール (2024/11/26 更新) |
「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい. |
Contents
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
アルベンダゾールの用法用量および治療期間は寄生虫の種類により異なる.個々の寄生虫の項目の用量・処方を確認すること |
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原虫 |
微胞子虫症:400mg経口1日2回・3週 ジアルジア:アルベンダゾールは第二選択薬.400mg経口1日1回・5~10日 |
回虫-腸管内 |
ヒト蟯虫(蟯虫):アルベンダゾールは第二選択薬.400mg経口1回(2週ごとに繰り返す) 東洋毛様線虫:アルベンダゾールは第二選択薬.400mg経口1回 回虫(回虫症):400mg経口1回 ゴンギロネマ症:400mg経口1日1回・3日 鉤虫(アメリカ鉤虫およびズビニ鉤虫):400mg経口1日1回・3日 ヒト鞭虫(鞭虫):400mg経口1日1回・3日(ヒト鞭虫に対してはメベンダゾールのほうがはるかに優れている) 糞線虫(糞線虫症):アルベンダゾールは第二選択薬.400mg経口1日2回・7日(イベルメクチンよりも効果が弱い) フィリピン毛頭虫(毛頭虫症):400mg経口1日2回・10日 |
回虫-腸管外 |
皮膚幼虫移行症(イヌネコ鉤虫):400mg経口1日2回・3~7日 バイリスアスカリス症(アライグマ回虫):有効性の示された薬剤はないが, 成人:400mg経口1日2回・10日を試みる. 小児:25~50mg/kg/日1日2回に分割・10日 旋毛虫(旋毛虫症):400mg経口1日2回・8~14日 広東住血線虫:400mg経口1日2回・21日(支持するデータは弱い)+ステロイド(十分なエビデンス) ロア糸状虫(眼虫):アルベンダゾール200mg経口1日2回・21日:推奨薬ジエチルカルバマジン治療2コース終了後も症状が解消しない場合,あるいは重度のミクロフィラリア血症患者に対しジエチルカルバマジン治療前にミクロフィラリア血症を改善し,ジエチルカルバマジンに対する反応を最小限にするため 常在糸状虫:400mg経口1日2回・21日,DOXYに対する代替としては劣る 有棘顎口虫:400mg経口1日2回・21日 |
条虫類 |
T. solium(有鉤条虫)の幼生形による神経嚢虫症:15mg/kg/日+プラジカンテル+デキサメタゾン・10日 |
3. 小児用量
注:年齢<6歳の小児でのアルベンダゾールの安全性は不確か.集団治療(MDA)キャンペーンのためのWHOガイドラインによると,年齢1歳の小児(錠剤を安全に飲み下すことができる)はアルベンダゾールを服用してよい.
用量(生後>28日) |
WHO推奨: 年齢>2歳:成人用量を使用 生後12~24ヵ月:安全(低用量で) |
最大/日 |
- |
4. 腎障害時の用量調整
半減期(時間)(腎機能正常) |
8~12 |
半減期(時間)(ESRD) |
データなし |
用量(腎機能正常) |
400mg経口12~24時間ごと |
CrClまたはeGFR |
腎障害時の用量調整不要 |
血液透析 |
データなし |
CAPD |
データなし |
CRRT |
データなし |
SLED |
データなし |
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
副作用
妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
PK/PD指標 |
データなし |
剤形 |
錠(200mg) |
食事に関する推奨(経口薬)1 |
錠:食事とともに |
経口吸収率(%) |
乏しい |
Tmax(時間) |
スルホキシド:2~5 |
最高血清濃度2(μg/mL) |
スルホキシド:0.5~1.6(400mg経口,SD) |
最高尿中濃度(μg/mL) |
データなし |
蛋白結合(%) |
70 |
分布容積3(Vd) |
データなし |
平均血清半減期4(T1/2, 時間) |
8~12 |
排泄 |
代謝 |
胆汁移行性5(%) |
スルホキシド:100 |
脳脊髄液/血液6(%) |
データなし |
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7 |
データなし |
AUC8(μg・時間/mL) |
データなし |
†:日本にない剤形
5. 主要な薬物相互作用
データなし
6. コメント