日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

結核-治療の不成功  (2022/2/8 更新)
治療の不成功や再発時の治療


臨床状況

  • M. tuberculosisに対する定められた治療終了後の治療失敗や再発.
  • 治療失敗は,治療の4~6カ月後も喀痰陽性が続くことと定義される.
  • 通常,処方に対するコンプライアンス不良や耐性菌によるが,薬剤濃度が治療域に達しないことも原因となる(Int J Tuberc Lung Dis 17: 221, 2013).

病原体

  • M. tuberculosis

第一選択

  • 専門家へのコンサルテーションが強く推奨される.
  • DOT(直接管理下で行う治療・服薬)処方を選択する前に,第一・第二選択薬に対する直近の分離株の感受性を確認すること.
  • 奏効しない,または失敗した処方に単剤を併用してはならない.
  • 可能ならば感受性試験の結果を待つ
  • 経験的治療が必要な場合,投与歴のない新しい薬剤を少なくとも3剤用いること.
  • 望ましい第二選択薬は,注射剤を含め,FQ(レボフロキサシンまたはMFLX),サイクロセリン,およびLZD(600mg 1日1回).

第二選択

  • 上記の個々の項目参照

コメント

  • コンプライアンス不良は一般的であるため,DOTを原則とする.
  • TDM(Therapeutic Drug Monitoring)を考慮する(推奨される採血時間と目標血中濃度についてはDrugs 74: 839, 2014参照).
  • HIV陽性患者では,再感染が治療「失敗」の原因である可能性がある.
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2022/02/08