日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

潜在性結核の高リスク患者の治療  (2023/06/13 更新)


臨床状況

潜在性結核検査陽性:結核皮膚検査(TST)またはインターフェロンγ応答測定法(IGRA)陽性,それに加えて活動性結核のエビデンスなし(結核-診断検査参照)
  • 以下の高リスク群では硬結≧5mmでTST陽性:
  • HIV陽性:進行したHIV患者は,それ以外の人と比較して活動性結核への進行のリスクが10倍高い.
  • 活動性結核患者との最近の濃厚接触
  • X線上で陳旧性の治癒した結核のエビデンスがあるが,治療を受けたことがない
  • 免疫抑制状態
  • 長期のステロイド治療(Prednisone>15mg/日)
  • 次のようなリスク因子のある例では硬結≧10mmでTST陽性:外国の有病率が高い地域での生まれ,静注薬物使用,慢性腎不全,不法静注薬物使用,珪肺症,糖尿病,正常を10%以上下回る低体重または長期の栄養不良,胃切除の既往,喫煙.
TNF-α阻害薬による治療は活動性結核への進行のリスクを有意に増大させるため,治療を予定している場合はあらかじめ潜在性結核の検査を受け,TSTあるいはIGRAが陽性なら潜在性結核の治療を行うこと(Infect Dis Clin N Am 34: 413, 2020).

病原体

  • Mycobacterium tuberculosis

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2023/06/12