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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
旋毛虫症
(
2026/02/03 更新
)
臨床状況
加熱不十分な肉の摂取:ブタ/イノシシ,クマ,クーガー,ウマ,セイウチ,アザラシ,キツネその他の肉食獣
最初に下痢が起こり,感染から1週間後旋毛虫の筋への侵入により,筋炎,心筋炎,まれに中枢神経系や肺疾患が引き起こされる.
軽症例では無症状のこともある.幼虫の被嚢とともに重症の筋炎は治まり,慢性となる.
猟獣肉の不完全な乾燥や燻製が流行につながる.
診断/病原体
診断
血清学的診断(E-S抗原使用のELISA).発症から14日以内ではIgGは検出できないことがある.
筋生検は不要.
重度の好酸球増加症(>5000/mm
3
)を引き起こす.
好酸球増加,IgE上昇,CPK上昇,赤沈 0.
病原体
Trichinella spiralis
(旋毛虫)(通常の場合)
他の
Trichinella
属
T. psedospiralis
T. nativa
(北極グマ)
T. nelsoni
(アフリカの肉食獣)
T. murelli
T. britovi
第一選択
アルベンダゾール
400mg経口1日2回・8~14日+Prednisone 40~60mg経口24時間ごと
抗寄生虫薬は腸内成虫を殺し新たな幼虫の産生を阻止するが,筋肉中の幼虫を殺すことはできない.
筋肉中に被嚢した幼虫による炎症を抑えるためには長期のコルチコステロイド治療が必要となることがある.
第二選択
メベンダゾール
200~400mg1日3回経口・3日,その後400~500mg1日3回経口・10日+Prednisone 40~60mg経口24時間ごと
治療期間
上記処方参照
コメント
アルベンダゾール,メベンダゾールの妊娠危険区分はCだが,これはデータがないためである.有用性が理論的なリスクを上回る場合には使用する.WHOは妊娠第2期,第3期での使用を認めているが,第1期で使用した場合の障害のエビデンスはない
摂取から6日以内にアルベンダゾール,メベンダゾールにより曝露後予防を行った予備的データ:
Clin Infect Dis 60: e98, 2015
.
剤形
メベンダゾール500mgチュアブル錠は米国内では販売されておらず,企業からの提供でのみ入手可.
アルベンダゾール200mg錠およびメベンダゾール100mg錠がある(
入手困難な抗寄生虫薬の供給元
参照).
総説:
Clin Microbiol Rev 22: 127, 2009
【日本の情報】国立感染症研究所「
わが国における旋毛虫症
」
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2026/02/02