日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

移植患者,血液学的悪性疾患-単純ヘルペス・水痘-帯状疱疹の予防  (2020/4/14 更新)
単純ヘルペス・水痘-帯状疱疹の予防:造血幹細胞および固形臓器移植患者


臨床状況

  • 造血幹細胞移植(HSCTまたはHCT)を受けている患者または急性白血病で化学療法中の患者における単純ヘルペスウイルス(HSV)および水痘-帯状疱疹ウイルス(VZV)感染予防.
  • HSV血清陽性で固形臓器移植(SOT)を受けている患者におけるHSVおよびVZV感染予防

病原体

  • 単純ヘルペスウイルス (HSV)
  • 水痘-帯状疱疹ウイルス(VZV)

第一選択

血液悪性腫瘍およびHCT:適応と治療期間
  • 急性白血病で化学療法中:好中球減少症がある期間
  • 自家移植HCT:好中球減少症がある期間およびHCT後30日
  • 同種HCT:好中球減少症がある期間およびHCT後少なくとも1年
固形臓器移植:HSV血清陽性でCMV予防を受けていない場合は,移植後1カ月間

第二選択

コメント

  • 同種HCTレシピエントで,移植片対宿主病(GVHD)がある場合には,VZV予防のために>1年のアシクロビルによる予防を考慮する.
  • SOTレシピエントでは,強力な免疫抑制を行う期間は予防の再開を考慮する.
  • Shingrixは,腎移植レシピエント(Clin Infect Dis 70: 181, 2020)および自家幹細胞移植(JAMA 322: 123, 2019)で研究されている.これらの研究では有効性と安全性が支持されているが,現在までのところ,その使用を支持するガイドラインは発表されていない.
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2020/04/14