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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
破傷風-治療
(
2021/3/30 更新
)
原発性破傷風感染の治療
臨床状況
嫌気性細菌
Clostridium tetani
の毒素テタノスパスミンが引き起こす筋性けいれん.
原発性破傷風感染,臨床診断(培養は陰性のことが多い):
全身性かつ持続的な緊張性筋けいれん,および発作(痙笑・ひきつり笑い[risus sardonicus],開口障害).
新生児:全身の衰弱,授乳の失敗,筋性けいれんの進行.芽胞を含む汚染物質が新生児の臍帯の切断面につくことから生じることがある.
下に示したような6段階の治療.
病原体
Clostridium tetani
(tetanospasmin toxin)
第一選択
6段階の治療:
1-気道確保のための緊急気管内挿管.喉頭けいれんが多くみられる.早期の気管切開.
2-ジアセパム20mg/kg/日静注またはミダゾラムにより反射性けいれんを除去.ジアゼパムと硫酸マグネシウム併用の有用性についての報告(
Lancet 368: 1436, 2006
).最悪の場合:ベクロニウムによる神経筋遮断が必要.
3-毒素の中和:ヒト免疫グロブリン筋注,破傷風トキソイド接種を開始-臨床的破傷風からの免疫はない.
4-感染源組織の外科的デブリドマン.抗菌薬治療を開始:
MNZ
500mg静注6時間ごとまたは1000mg静注12時間ごと.他の選択肢として水性
PCG
300万単位静注4時間ごと.7~10日治療(コメント参照).
5-筋けいれんを引き起こすことがあるので光を避けること.
6-交感神経亢進をコントロールするためにβ遮断薬を用いる,たとえば短時間作用型のエスモロール.
第二選択
DOXY
100mg静注†12時間ごと・7~10日
(†:日本にない剤形)
コメント
文献:
Ann Intern Med 154: 329, 2011
(MNZ 10~14日を推奨);
Lancet 393: 1657, 2019
.
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2021/03/25