日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

破傷風-治療  (2026/01/27 更新)
原発性破傷風感染の治療


臨床状況

  • 嫌気性細菌Clostridium tetaniの毒素テタノスパスミンが引き起こす筋性けいれん.
  • 原発性破傷風感染,臨床診断(培養は陰性のことが多い):
  • 全身性かつ持続的な緊張性筋けいれん,および発作(痙笑・ひきつり笑い[risus sardonicus],開口障害).
  • 新生児:全身の衰弱,授乳の失敗,筋性けいれんの進行.芽胞を含む汚染物質が新生児の臍帯の切断面につくことから生じることがある.
  • 下に示したような6段階の治療.

病原体

  • Clostridium tetani(tetanospasmin toxin)

第一選択

6段階の治療:
  • 1-気道確保のための緊急気管内挿管.喉頭けいれんが多くみられる.早期の気管切開.
  • 2-ジアセパム20mg/kg/日静注またはミダゾラムにより反射性けいれんを除去.ジアゼパムと硫酸マグネシウム併用の有用性についての報告(Lancet 368: 1436, 2006).最悪の場合:ベクロニウムによる神経筋遮断が必要.
  • 3-破傷風免疫グロブリン(TIG,ヒト高免疫グロブリン)500単位1回筋注が一般的;投与量の一部を創傷周囲に浸潤させる.破傷風トキソイドによる予防接種を開始.臨床的な破傷風による免疫性は得られない
  • 4-感染源組織の外科的デブリドマン.抗菌薬治療を開始:MNZ 500mg静注6時間ごとまたは1000mg静注12時間ごと.他の選択肢として水性PCG 300万単位静注4時間ごと.7~10日治療(コメント参照).
  • 5-筋けいれんを引き起こすことがあるので光を避けること.
  • 6-交感神経亢進をコントロールするためにβ遮断薬を用いる,たとえば短時間作用型のエスモロール.

第二選択

  • DOXY 100mg静注†12時間ごと・7~10日

(†:日本にない剤形)

治療期間

  • 7~10日.コメントも参照

コメント

  • 静注免疫グロブリン(IVIG)は破傷風抗毒素を含んでおり,TIGが入手できない場合に用いられることがある.
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2026/01/26