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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
梅毒-早期潜伏性
(
2023/08/22 更新
)
罹病<1年の潜伏梅毒の治療
臨床状況
感染から1年未満の潜伏感染.
下疳は痛みを伴わないことに注意.
病原体
T. pallidum
第一選択
DBECPCG 240万単位筋注1回
第二選択
DOXY
100mg経口1日2回・14日,または
TC
500mg経口1日4回・14日
CTRX
1g筋注††または静注24時間ごと・10~14日(
Clin Infect Dis 65: 1683, 2017
).しかし正確な治療期間と用量は不明確.
ヨーロッパの梅毒ガイドライン
(2020年)では,DBECPCGが入手できない場合には,プロカインペニシリン60万単位を筋注1日1回・10~14日を推奨.
フォローアップは必須.
妊婦:すべての妊婦に対してペニシリン治療を行う.ペニシリンアレルギーの場合は脱感作を行う.
ペニシリンの脱感作
を参照.
(††:米国では処方される)
抗微生物薬適正使用
AZMはペニシリンに非劣性(
J Infect Dis 201: 1729, 2010
).ただし耐性
T. pallidum
の出現により(
N Engl J Med 351: 154, 2004
;
Antimicrob Agents Chemother 54: 583, 2010
),最新のCDCガイドライン(2021)ではもはや推奨されていない.
コメント
ペニシリンアレルギー:
ペニシリンの脱感作
参照
すべての梅毒患者でHIV検査を,すべてのHIV感染者で梅毒の検査を行うこと.
HIV患者の梅毒は非HIV患者の場合と同様に治療する.
治療後0,3,6,12,24カ月に定量的な非トレポネーマ検査(VDRLまたはRPR)を行う.12カ月目に2管(4倍)低下するはずである.
現在の2021年CDCの推奨では,抗体価が1/4まで下がらなかった場合のCSF検査はもはや推奨されず,抗体価と神経学的検査でフォローするよう推奨されている.
梅毒に関する文献:
JAMA 312: 1905, 2014
;
Clin Infect Dis 61(Suppl 8): S818, 2015
;
Lancet 389: 1550, 2017
;
N Engl J Med 382: 845, 2020
.
CDC性感染症ガイドライン(2021):
MMWR Recomm Rep 70(RR-4): 1, 2021
;
ヨーロッパ梅毒ガイドライン
(2020年).
CDCガイドラインのエビデンスについての総説:
Clin Infect Dis 74: S127, 2022
.
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2023/08/21