日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

感染性心内膜炎-Tropheryma whipplei (ホイップル病)  (2025/09/02 更新)
Tropheryma whippleiによる心内膜炎の治療


臨床状況

  • Tropheryma whippleiによる感染性心内膜炎の特異的治療
  • 培養陰性の心内膜炎(コメント参照)
  • 多関節痛,慢性の下痢,体重減少,腹痛,神経学的症状など心臓以外の症状が発現することもあるが,ごく少数の患者である.
  • 感染組織の生検,PCR,培養による菌の同定で診断される.

病原体

  • Tropheryma whipplei

第一選択

  • DOXY 100mg1日2回+Hydroxychloroquine 200mg1日3回・12カ月,その後DOXYによる長期抑制(おそらく生涯にわたる)(J Infect 69: 103, 2014

第二選択

  • ST(S 800mg/T 160mg)1日2回・1~2年

抗微生物薬適正使用

コメント

  • 再燃を防ぐため長期の治療が必要となるが,至適治療期間は不明.臨床的フォローアップが重要.治療の最初の1~2週は免疫再構築症候群(IRIS)に注意すること.
  • 弁の組織片を用いたドイツの研究では,Tropheryma whippleiは,Staplylococcus属,Streptococcus属,Enterococcus属に続いて細菌性心内膜炎の4番目に多い原因菌であり,培養陰性心内膜炎の原因菌としては最も多くその約1/3を占める.患者は典型的にはホイップル病の他の所見/症状を示さず,弁疾患はゆっくり進行し,心内膜炎診断についてのDukeの基準を満たさない(J Clin Microbiol 50: 216, 2012).
  • 診断は弁組織の組織病理学的検査,培養,PCRによってのみ可能である.
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2025/09/01