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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
回虫症
(
2025/10/21 更新
)
臨床状況
通常は無症状
小児でまれに腸閉塞が起こる.
成虫の移動によってまれに胆管閉塞が起こる.
未成熟の幼虫が最初に移動する際に肺への好酸球浸潤が起こる.
低年齢の小児では成長した成虫が口または鼻咽頭から出てくることがある.
病原体/診断
病原体
Ascaris lumbricoides
診断
濃縮しない便検体で大きな卵が容易にみられる.
画像検査:大きな腸内蠕虫が腹部単純撮影またはCT(±経口造影剤)で確認できることがある.
胆道閉塞の場合は,ERCPが診断および治療に役立つことがある.
第一選択
アルベンダゾール
400mg経口・1回
鉤虫,鞭虫の重複感染が多い.重複感染が明らか,あるいは可能性がある場合は,
アルベンダゾール
400mg経口・3日を用いる.
小児:
WHOは1歳以上の小児でのアルベンダゾール使用を承認している.
年齢>2歳の小児に対するCDC推奨:400mg経口1回だけ,1~2歳では200mg経口1回だけ
1歳未満の小児にアルベンダゾールを使用してはならない
妊婦:
WHOは,妊娠第2,3期でのアルベンダゾール使用を承認している.
FDA妊娠時リスク区分は現在でもCである.
大規模システマティック解析では,妊娠第1期のアルベンダゾール使用による害はなかった(
Int J Parasitol 49: 541, 2019
).
年齢>1歳なら全例で
メベンダゾール
100mg経口1日2回・3日
年齢>1歳なら全例で
メベンダゾール
500mg経口・1回(500mg錠は米国では販売されていない)
第二選択
イベルメクチン
150~200μg/kg経口・1回
ピランテル
11mg/kg塩基(最大1gまで)経口・1回(米国では市販薬).1回投与についての文献:
BMJ 358: j4307, 2017
.
妊娠時:妊娠時の使用は安全で,高い効果があるが,鞭虫または鉤虫に対しては無効.
治療期間
上記処方参照.
コメント
アルベンダゾールは鉤虫に対してはメベンダゾールよりも有効であるが,鞭虫に対してはアルベンダゾールよりもメベンダゾールの方が有効.
メベンダゾール500mg錠†(Vermox)はFDAに承認されているが,米国では企業からの提供のみで販売はされていない.
土壌から感染した蠕虫に対する集団治療キャンペーンにおける,500mg小児用チュワブル錠1回投与の有効性に関する最近のデータ(
Am J Trop Med Hyg 97: 1851, 2017
)
ジェネリックのアルベンダゾール(Albenza)はAmnrealから販売されているが,薬価が非常に高く,一般の薬局からは入手しにくい.
ピランテルは市販されているため入手しやすく,効果は他の薬剤と同等.
Nitazoxanideは有効だが,他の選択肢ほどの効果はない.
アルベンダゾール複数回投与の,特に鉤虫に対する有効性:
PLoS One 6: e25003, 2011
;
JAMA 299: 1937, 2008
.
(†:日本にない剤形)
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2025/10/20