• EvotazはAtazanavir（ATV）とコビシスタット（Cobi）の合剤である．
  
• 個々の薬剤に特異的なデータについては各項目を参照：ATV，コビシスタット
  
• 多くの副作用がある．抗レトロウイルス薬－概説を参照．
  
• リトナビル，他のプロテアーゼ阻害薬，エルビテグラビルを含む処方との併用は推奨されない．
  
• ATVとコビシスタットの暴露量が大幅に低下するため，妊婦での使用は推奨されない．妊婦では投与開始しないこと．Evotaz治療中に妊娠が明らかになった場合は代替処方を用いるが，頻繁にウイルス量をモニターしながらの継続を考慮してもよい（HHSガイドライン，2019年12月）
  
• 以前にいずれかの薬剤に対する過敏反応（たとえばStevens-Johnson症候群，多形性紅斑，中毒性皮疹）がみられた場合は禁忌．
  
• 注意：多くの薬物相互作用がある（下表参照，すべて網羅しているわけではない）．
  

• 1錠1日1回食事とともに
  
• 錠：ATV 300mg＋コビシスタット150mg
  

• 体重およびクレアチニンクリアランス（CrCl）推定値の計算法
  
• CAPD: 持続的携行型腹膜透析， CRRT: 持続的腎代替療法，SLED: 長時間低効率血液透析
  

CrCl＜70なら，テノホビルとは併用しないこと．

• 肝障害のある患者では推奨されない．
  

副作用

• 個々の薬剤を参照．
  
• 最も多いもの：黄疸，眼球黄疸，悪心
  
• PR間隔延長
  
• 発疹
  
• 腎障害，Fanconi症候群（テノホビルとの併用で）
  
• 腎結石症/胆石症
  
• 肝毒性
  
• 高ビリルビン血症
  
• 免疫再構築症候群（IRIS）
  
• 血友病
  
• 高血糖
  
• 体脂肪再分布
  

妊娠時のリスク

• FDAリスク区分（新）：推奨されない（ATZ/Cobi曝露↓）
  
• 授乳中の使用：ARTにより妊娠期間を通じてウイルス量が抑制されている場合は，乳児への授乳選択肢，リスク，有用性についてのカウンセリングの後の授乳は合理的な選択肢
  

• HIV
  

1. 注記のない場合は成人用経口製剤
   
2. SD：単回投与後，SS：複数回投与後の定常状態
   
3. V/F：（Vd）÷（経口生物学的利用能），Vss：定常状態におけるVd，Vss/F：（定常状態におけるVd）÷（経口生物学的利用能）
   
4. CrCl＞80 mL/分と想定
   
5. 炎症時における脳脊髄液濃度
   
6. CPE（中枢神経系移行効果）値　1：低度，2～3：中等度，4：高度（Letendre, et al., CROI 2010, abs #430）
   
7. AUC：血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve．0～inf＝AUC0-inf，0～ｘ時間＝AUC0-x