日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

カナマイシン  (2024/04/09 更新)
KM
主な商品名:カナマイシン,硫酸カナマイシン

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

1日複数回投与法
7.5mg/kg静注††または筋注12時間ごと
目標ピーク値(投与後1時間)15~30μg/mL(投与後1時間)(>35μg/mLは避ける),目標トラフ値5~10μg/mL(>10μg/mLは避ける)
1日1回投与法
15mg/kg静注††または筋注24時間ごと
目標トラフ値<1μg/mL
抗結核用量
年齢≦59歳:1g(15mg/kg)静注††または筋注 24時間ごとまたは週3~5回
目標トラフ値<1μg/mL
年齢>59歳:750mg(10mg/kg)静注††または筋注 24時間ごとまたは週3~5回
目標トラフ値<1μg/mL

††:米国では処方される

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
15~30mg/kg/日(1日1回)
最大/日
1g

 4. 腎障害時の用量調整

 
1日1回投与法
1日複数回投与法
半減期(時間)(腎機能正常)
2~3
2~3
半減期(時間)(ESRD)
30~70
30~70
用量(腎機能正常)
15mg/kg24時間ごと
7.5mg/kg筋注/静注12時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl 60~80:12mg/kg24時間ごと
CrCl 40~60:7.5mg/kg 24時間ごと
CrCl 30~40:4mg/kg24時間ごと
CrCl 20~30:7.5mg/kg 48時間ごと
CrCl 10~20:4mg/kg48時間
CrCl<10:3mg/kg72時間ごと,および透析後
CrCl>50~90:7.5mg/kg12時間ごと
CrCl 10~50:7.5mg/kg24時間ごと
CrCl<10:7.5mg/kg48時間ごと
血液透析
CrCl<10を参照
7.5mg/kg48時間ごと(+3.25mg/kg透析後追加)
CAPD
データなし
透析日15~20mg喪失/L
CRRT
データなし
7.5mg/kg24時間ごと
SLED


高流量の血液透析はアミノグリコシドの予想外のクリアランスを招くので,投与後の効果と副作用を把握するために,透析後に血中濃度を測定すること.

CAPDでは濃度をチェック,薬物動態は非常に変動が大きい.通常のCAPDの方法:2L透析液を1日4回交換(AMKの場合:8L×20mg喪失/L=160mgAMK静注補充/日)

 5. その他の用量調整

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
24時間AUC/MIC
剤形
注射剤
食事に関する推奨(経口薬)1

経口吸収率(%)

Tmax(時間)

最高血清濃度3(μg/mL)
25~50(15mg/kg筋注, SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
0~10
分布容積3(Vd)
0.26 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
2~3
排泄

胆汁移行性5(%)
10~60
脳脊髄液/血液6(%)
0~30
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
なし
AUC8(μg・時間/mL)
データなし
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アムホテリシンB
腎毒性↑
併用を避ける
シスプラチン
腎および聴器毒性↑
併用を避ける
シクロスポリン
腎毒性↑
併用を避ける
フロセミド
聴器毒性↑
モニター
神経筋遮断薬
無呼吸または呼吸麻痺↑
モニター
NSAIDs
腎毒性↑
モニター
ピペラシリン/タゾバクタム
KM不活化の可能性
モニターまたは避ける
X線造影剤
腎毒性↑
モニター
バンコマイシン
腎毒性↑
併用を避ける

6. コメント

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2024/04/08