日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Indinavir  (2021/4/20 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
(Indinavir 800mg+リトナビル 100mg)経口12時間ごと(推奨

 
400mgカプセル×2(800mg)経口8時間ごと,食事なしか軽食とともに(高用量頻回が必要となるため,リトナビル併用なしの投与は推奨されない)
Dinanosine腸溶コート剤と併用可.

 3. 小児用量

新生児/乳児
承認されていない
小児
承認されていない
234~500mg/m
212時間ごと(リトナビル併用)の研究が行われている
青少年
Indinavir 800mg+リトナビル 100~200mg12時間ごと
注:DHHS小児ガイドラインパネルは青少年でのIndinavir使用を推奨していない.

サンプル7

 4. 腎障害時の用量調整

なし

 5. 肝障害時の用量調整

軽度~中等度の肝障害:600mg 8時間ごと

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
プロテアーゼ阻害薬(PI)
PK/PD指標
データなし
剤形
100,200,400mgカプセル
乾燥剤付きの専用の容器で保存すること.
通常成人用量
(Indinavir 800mg+リトナビル 100mg)経口1日2回
FDAの妊娠危険区分
C
経口剤の投与のタイミング1
リトナビル併用カプセルは食事とともに
経口吸収率2(%)
65
最高血清濃度3(μg/mL)
20.2μM(SS)
蛋白結合(%)
60
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
1.2~2
細胞内半減期(T1/2, 時間)
データなし
排泄(%)
CYP3A4により酸化され多様な代謝産物となって主に糞便中に排出される
中枢神経系移行効果(CPE)5
4
脳脊髄液/血液6(%)
11
分布容積7(Vd)
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
249μM・時間 (AUC 0-24)
CYP450,トランスポーターとの相互作用
基質:3A4,PGP
阻害:3A4,PGP
Tmax9(時間)
0.8(空腹時)
  1. 注記がない場合は成人用製剤
  2. 健康な状態での吸収率
  3. 総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
      SD:単回投与後
      SS:複数回投与後の定常状態
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 分布容積(Vd):
      V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能)
      Vss:定常状態におけるVd
      Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve
  9. Tmax:薬剤投与後,血漿中濃度が最大になるまでの時間

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
Alfuzosin
Alfuzosin↑
禁忌
アルプラゾラム
アルプラゾラム↑
禁忌
アミオダロン
アミオダロン↑
禁忌
アトルバスタチン
アトルバスタチン↑
モニター,用量調整
ベプリジル
ベプリジル↑
モニター,用量調整,または避ける
ボセンタン
ボセンタン↑
モニター,用量調整
カルバマゼピン
Indinavir↓
併用を避ける
クラリスロマイシン
CAM↑,14-OH CAM↓,Indinavir↑
モニター,用量調整,または避ける
コルヒチン(腎/肝障害)
コルヒチン↑
禁忌
コルヒチン
コルヒチン↑
モニター,用量調整,または避ける
シクロスポリン
シクロスポリン↑
モニター,用量調整
エプレレノン
エプレレノン↑
禁忌
麦角アルカロイド
麦角アルカロイド↑
禁忌
フェロジピン
フェロジピン↑
モニター,用量調整
フルチカゾン
フルチカゾン↑
併用を避ける
イトラコナゾール
Indinavir↑
モニター,用量調整,または避ける
ケトコナゾール
Indinavir↑
モニター,用量調整,または避ける
リドカイン
リドカイン↑
モニター,用量調整,または避ける
ロバスタチン
ロバスタチン↑
禁忌
ルラシドン
ルラシドン↑
禁忌
ミダゾラム(静注)
ミダゾラム↑
モニター,用量調整
ミダゾラム(経口)
ミダゾラム↑
禁忌
ニカルジピン
ニカルジピン↑
モニター,用量調整
ニフェジピン
ニフェジピン↑
モニター,用量調整
その他のARV
抗レトロウイルス薬間の薬物相互作用を参照
フェノバルビタール
Indinavir↓
併用を避ける
フェニトイン
Indinavir↓
併用を避ける
ピモジド
ピモジド↑
禁忌
クエチアピン
クエチアピン↑
モニター,用量調整,または避ける
Quinidine
Quinidine↑
モニター,用量調整,または避ける
リファブチン
リファブチン↑,Indinavir↓
モニター,用量調整,または避ける
リファンピシン
Indinavir↓
禁忌
ロスバスタチン
ロスバスタチン↑
モニター,用量調整
サルメテロール
サルメテロール↑
併用を避ける
シルデナフィル(EDに対して)
シルデナフィル↑
モニター,用量調整
シルデナフィル(PAHに対して)
シルデナフィル↑
禁忌
シンバスタチン
シンバスタチン↑
禁忌
シロリムス
シロリムス↑
モニター,用量調整
セイヨウオトギリソウ
Indinavir↓
禁忌
タクロリムス
タクロリムス↑
モニター,用量調整
タダラフィル(ED,PAHに対して)
タダラフィル↑
モニター,用量調整
トラゾドン
トラゾドン↑
モニター,用量調整
トリアゾラム
トリアゾラム↑
禁忌
バルデナフィル
バルデナフィル↑
モニター,用量調整
Venlafaxine
Indinavir↓
モニター,用量調整,または避ける
ワルファリン
ワルファリン↑↓
INRをモニター,用量調整
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2021/04/15