Eflornithine (2024/08/06 更新)
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Contents
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 薬理学
4. 主要な薬物相互作用
5. コメント
1. 用法および用量
1. 使用
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米国ではトリパノソーマ症の治療薬として承認されているが,市販はされていない.サノフィ・アベンティス社製品(Ornidyl).CDC薬剤サービスから入手できる可能性もある.
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WHOは後期西アフリカトリパノソーマ症に対し単剤よりNECT(Nifurtimox+Eflornithine)の併用治療を推奨している.Lancet Infect Dis 20: e38, 2020.
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WHOは,入手可能な地域ではFexinidazoleの方が好ましいとしている.
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妊婦でのデータはないが,患者のリスク・ベネフィットを考慮して使用が必要となる場合もある.
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母乳中への分泌は明らかでない.
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Eflornithineは,授乳中の女性には注意して用いること.
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米国ではCDC Drug Serviceから入手可能.入手困難な抗寄生虫薬の供給元を参照.
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活性スペクトラム:抗原虫,腸管外寄生原虫,腸管外寄生虫
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
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減量が必要.
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初回用量は100mg/kg.
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その後の維持用量はCrCl正常値に対するCrCl実測値の比により減量する.
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
副作用
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下痢,嘔吐,腹痛,骨髄抑制,血小板減少,貧血,白血球減少,けいれん発作,頭痛,脱毛,黄疸,聴力低下,発熱.
妊娠時のリスク
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FDAリスク区分(旧):C
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授乳中の使用:おそらく安全.乳児では毒性をモニター
3. 薬理学
PK/PD指標
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データなし
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剤形
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静注剤
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食事に関する推奨(経口薬)1
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経口吸収率(%)
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Tmax(時間)
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最高血清濃度2(μg/mL)
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50~90nmol/L(100mg/kg静注6時間ごと,SS)
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最高尿中濃度(μg/mL)
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データなし
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蛋白結合(%)
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データなし
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分布容積3(Vd)
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データなし
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平均血清半減期4(T1/2, 時間)
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3.3
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排泄
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腎
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胆汁移行性5(%)
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データなし
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脳脊髄液/血液6(%)
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60~90
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治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
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あり
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AUC8(μg・時間/mL)
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データなし
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注記のない場合は成人用経口製剤
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SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
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V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
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CrCl>80 mL/分と想定
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(胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
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炎症時における脳脊髄液濃度
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薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
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AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve
4. 主要な薬物相互作用
5. コメント
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治療開始前に全血算をチェックし,治療中は週2回,さらに治療後も血液学的パラメーターが正常になるまで少なくとも週1回は検査を行うこと.
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Fexinidazoleは,西アフリカトリパノソーマ症に対する完全な経口治療薬として承認されている:Lancet 391: 144, 2018.
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