小児患者に対するテトラサイクリン系薬の使用は,これまで制限されてきた.これは,8歳未満の小児において,薬剤とその着色分解物質がエナメル質に沈着することにより,歯の永久的な変色が起こるという報告があったためである.DOXYは,他のテトラサイクリン系薬に比べカルシウムへの結合力が弱く,最近の比較データからは,8歳未満の小児で目に見える歯の変色やエナメル質形成不全を引き起こす可能性は低いことが示唆されている.DOXYは短期間(≦21日)ならば,患者の年齢にかかわらず安全に投与できる(AAP Red Book 2018;J Pediatr 166: 1246, 2015).