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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
梅毒-晩期潜伏性
(
2026/04/07 更新
)
罹病期間>1年の潜伏梅毒の治療
臨床状況
感染期間不確定の潜伏性感染(>1年)(「晩期潜伏性」とも呼ばれる),しばしば無徴候または無症状である.
治療が異なるため,神経梅毒は別個に検討する.
性感染ではなく,治療は感染による長期の病変を予防するため.
病原体
T. pallidum
第一選択
DBECPCG
240万単位筋注週1回を3回=計720万単位
晩期潜伏性梅毒患者に対し,DBECPCGの10~14日間隔投与を行ってもよい.そうでなければ上記の治療を開始する.
妊婦で治療が遅延して>9日投与間隔が開いている場合は,全治療行程を繰り返す必要がある.
第二選択
ヨーロッパ2020年梅毒ガイドライン
:DBECPCG が使えない場合には,プロカインペニシリン60万単位筋注1日1回17~21日
ペニシリンアレルギーあるいは注射治療が拒否された場合:不明,多くの専門家は脱感作を推奨している
DOXY
100mg経口1日2回・28日,または
TC
500mg経口1日4回・28日
CTRX
1g筋注/静注24時間ごと・10~14日,ただし至適用量・治療期間は未確立
フォローアップは必須.
日本のHIV感染者における経験(有効性95.5%,286例中273例;
Clin Infect Dis 61:177, 2015
)に基づき,高用量
AMPC
3g/日+プロベネシド(750mg/日)を経口1日3回に分割・2週間(早期梅毒)または4週間(晩期潜伏性または不明)投与を考慮する.
別の選択肢として,
AMPC
1.5g/日投与は、上記の
AMPC
+プロベネシドよりも忍容性が高く,同様の有効性(94.9%)を示す:
Sex Transm Infect 98:173 2022
.
多くの専門家は,臨床経験が豊富な
DOXY
で治療を行うだろう.
妊婦では脱感作を行う
コメント
すべての梅毒患者でHIV検査を,すべてのHIV感染者で梅毒の検査を行うこと.
HIV患者の梅毒は非HIV患者の場合と同様に治療する.
定量的非トレポネーマ血清学検査は6,12,24カ月後に繰り返して行う.24カ月後に1/4低下しなければ,年間にわたる力価と臨床状態のフォローが必要となるだろう.フォローアップで可能性が低いか,初期力価>1:32で反応がなければ,DBECPCG 240万単位筋注3週による再治療を考慮する.
神経学的症状または徴候がある場合は脳脊髄液の評価が推奨され,その結果に基づいて治療を行う.米国では,無症候性の晩期梅毒におけるルーチンの腰椎穿刺の意義には疑問がもたれており(
Clin Infect Dis 61(Suppl 8): S818, 2015
),現在の2021年CDC性感染症ガイドライン(
MMWR Recomm Rep 70(RR-4): 1, 2021
)では推奨されていない.脳脊髄液検査で陰性であれば,DBECPCG 240万単位筋注3週による再治療を行う.
梅毒に関する文献:
Lancet 389: 1550, 2017
;
N Engl J Med 382: 845, 2020
.
CDC性感染症ガイドライン:
MMWR Recomm Rep 70(RR-4): 1, 2021
;
ヨーロッパ2020年梅毒ガイドライン
.
CDCガイドラインのエビデンスについての総説:
Clin Infect Dis 74: S127, 2022
.
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