リバビリン (2022/10/25 更新)
主な商品名:レベトール,コペガス
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「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい. →日本の添付文書情報検索サイト
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Contents
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
1. 用法および用量
1. 使用
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リバビリンは,インターフェロンαと併用してC型肝炎治療の第一選択薬として使用される.クリミア-コンゴ出血熱,ラッサ熱といったいくつかの出血熱症候群の治療にも使用される.リバビリンエアロゾルは,現在では造血幹細胞移植者以外の重度のRSウイルス肺感染症には推奨されない(RSウイルス参照).
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重大な副作用
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妊娠時には使用しない.催奇形性/胎児死亡あり.薬剤は6カ月残留するため,女性またはそのパートナーでは治療完了後も6カ月間は避妊する.
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警告[Black Box Warnings]:HCVに対してリバビリン単剤治療は無効;溶血性貧血から心血管イベントが引き起こされることがある.クレアチニンクリアランス>50mL/分の患者に対してだけ承認されている.
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重症心疾患またはある種の異常ヘモグロビン症患者でも使用は避ける.ARDSの報告あり(Chest 124:406,2003).
2. 成人用量
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用量については個々の適応を参照.成人の通常用量はない.
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C型肝炎治療において,リバビリンの用量は併用するインターフェロンαの剤形,体重,HCV遺伝子型によって異なり,副作用に基づいて用量を変更あるいは治療を中止する(特に溶血の程度が重要であり,心疾患の有無によっても用量調整・治療中止の基準は異なる).
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例えばインターフェロンα-2bと併用する場合のカプセル/経口溶液の初期用量は体重を基準とする:体重≦75kgでは午前400mg,午後600mg,>75kgでは午前600mg,午後600mgだが,ペグインターフェロンと併用する場合の承認用量は午前400mg,午後400mg食事とともに.
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200mg錠をペグインターフェロンα-2aと併用する場合,遺伝子型2および3のほうが1および4より用量は少なく治療期間は短い:遺伝子型2および3では800mg/日2回に分割・24週.遺伝子型1および4では,体重<75kgなら1000mg/日,≧75kgなら1200mg/日いずれも2回に分割・48週.
HIVとC型肝炎の重複感染患者での用量は,遺伝子型にかかわらず800mg/日(心疾患の有無での初期用量や用量変更基準などの詳細はそれぞれの薬剤の添付文書参照).
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
用量調整は必要ないが,CrCl<50 mL/分の患者には注意して使用.
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
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溶血性貧血(用量減量または中止が必要となることもある),歯および歯周疾患,および同時併用されるインターフェロンによる副作用すべて.
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市販後調査:網膜剥離,聴力低下,過敏反応.
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
薬効分類
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ヌクレオシドアナログ
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PK/PD指標
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データなし
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剤形
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レベトール:200mgカプセル,40mg/mL経口溶液† コペガス:200mg錠
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通常成人用量
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適応により異なる
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FDAの妊娠危険区分
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禁忌 催奇形性/胎児死亡
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経口剤の投与のタイミング1
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食事とともに
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経口吸収率2(%)
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64
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最高血清濃度3(μg/mL)
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3.7(600mg12時間ごと, SS)
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蛋白結合(%)
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わずか
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平均血清半減期4(T1/2, 時間)
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44(終末相 298)
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胆汁排泄5(%)
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データなし
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脳脊髄液/血液6(%)
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データなし
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分布容積7(Vd)
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2825 L
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AUC8(μg・時間/mL)
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228(AUC0-12)(600mg12時間ごと)
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チトクロームP450,トランスポーター相互作用
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データなし
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Tmax9(時間)
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2
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†:日本にない剤形
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注記のない場合は成人用製剤
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健康な状態での吸収率
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総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
SD:単回投与後
SS:複数回投与後の定常状態
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CrCl>80 mL/分と想定
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(胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
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炎症時における脳脊髄液濃度
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分布容積(Vd):
V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能)
Vss:定常状態におけるVd
Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
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AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve
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Tmax:薬剤投与後,血漿中濃度が最大になるまでの時間
5. 主要な薬物相互作用
薬剤
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濃度への影響(その他)
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推奨される対応
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Didanosine
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Didanosine↑
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併用を避ける
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ラミブジン
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ラミブジン↓
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併用を避ける
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サニルブジン
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サニルブジン↓
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併用を避ける
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ジドブジン
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ジドブジン↓
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併用を避ける
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