日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ピペラシリン  (2024/04/16 更新)
PIPC
主な商品名:ペントシリン

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
3~4g静注4~6時間ごと(最大で24g/日)
尿路感染症
2g静注6時間ごと
P. aeruginosa 感染
4g静注4時間ごと

 3. 小児用量

用量(>生後28日)
400mg/kg/日(6時間ごとに分割)
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
1
半減期(時間)(ESRD)
3~5
用量(腎機能正常)
3~4g静注4~6時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl>50~90:3~4g4~6時間ごと
CrCl 30~50:3~4g6~8時間ごと
CrCl 10~30:3~4g8時間ごと
血液透析
2g 8時間ごと+透析後は1g追加投与
CAPD
3~4g8時間ごと
CRRT
3~4g6~8時間ごと
SLED

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形
注射
食事関する推奨(経口薬)1

経口吸収率(%)

Tmax(時間)

最高血清濃度2(μg/mL)
242(3g静注1回)
最高尿中濃度(μg/mL)
蛋白結合(%)
16
分布容積3(Vd)
0.24 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
1
排泄

胆汁移行率5(%)
>100
脳脊髄液/血液6(%)
30
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
242(3g静注6時間ごと,0~6時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度−時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.
    0~inf=AUC
    0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

ピペラシリン(A)
その他の薬剤(B)
効果
重要性

Cefoxitin
Pseudomonasに対する拮抗作用
++

+,++:相対的重要性を示す

ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2024 Life Science Publishing↑ page top

2024/04/15