日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Didanosine  (2022/03/15 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 薬物動態
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
体重≧60 kg:通常400mg腸溶コート錠経口24時間ごと,食前0.5時間または食後2時間.粉砕しないこと.
体重<60 kg:250mg腸溶コート錠経口24時間ごと.

 3. 小児用量

生後2週~3カ月
50mg/m2 12時間ごと.
年齢≧3カ月~8カ月
100mg/m2 12時間ごと.
年齢>8カ月
120mg/m2 12時間ごと.
(年齢3~21歳で治療未経験の場合,240mg/m
2 24時間ごと)
腸溶コート錠,年齢6~18歳
体重20~<25 kg:200mg 24時間ごと
体重25~<60 kg:250mg 24時間ごと
体重≧60 kg:400mg 24時間ごと

 4. 腎障害時の用量調整

半減期
(腎機能正常/ESRD, 時間)
1.6/4.5
腎機能正常時の用量
400mg腸溶コート錠24時間ごと
調整方法
投与量の減量
CrCl>50~90(mL/分)
400mg 24時間ごと
CrCl 10~50(mL/分)
125~200mg 24時間ごと
CrCl<10(mL/分)
腸溶コート錠は使用しない
血液透析
データなし
CAPD
データなし
CRRT
データなし

CAPD: 持続的携行型腹膜透析
CRRT: 持続的腎代替療法

 5. 肝障害時の用量調整

データなし

2. 副作用

最もよくみられる副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
ヌクレオチド逆転写酵素阻害薬
PK/PD指標
データなし
剤形
腸溶コート錠(徐放性):125,200,250,400mg
経口溶液のための粉末†(最終濃度10mg/mL)
通常成人用量
400mg腸溶コート錠経口24時間ごと(体重≧60kg)
FDAの妊娠危険区分
B
経口剤の投与のタイミング1
カプセル/溶液:食事時以外に服用
経口吸収率2(%)
30~40
最高血清濃度3(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
<5
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
1.6
細胞内半減期(T1/2, 時間)
25~40
排泄(%)
腎排泄,50%
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性5
2
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
分布容積7(Vd)
腸溶コート錠:308~363 L
AUC8(μg・時間/mL)
2.6(AUC0-24
チトクロームP450相互作用
データなし
Tmax(時間)9
2
  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. 健康な状態での吸収率
  3. 総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
      SD:単回投与後
      SS:複数回投与後の定常状態
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. 治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve
  8. 分布容積(Vd):
      V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能)
      Vss:定常状態におけるVd
      Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  9. Tmax:薬剤投与後,血漿中濃度が最大になるまでの時間

5. 薬物動態

データなし

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アロプリノール
Didanosine↑
併用を避ける
吸収に低pHが必要な薬剤
吸収↓
併用を避ける
エタノール
膵炎のリスク↑
モニター
フルオロキノロン系
FQの吸収↓
併用を避ける
メサドン
Didanosine↓
併用を避ける
Nirmatrelvir/リトナビル
Didanosine↑
モニター,さらなる情報を求める
ペンタミジン
膵炎のリスク↑
モニター
リバビリン
ミトコンドリア毒性↑
併用を避ける
テノホビル
Didanosine↑
Didanosineの用量調整
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