日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Didanosine  (2024/10/01 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
体重≧60 kg:通常400mg腸溶コート錠経口24時間ごと,食前0.5時間または食後2時間.粉砕しないこと.
体重<60 kg:250mg腸溶コート錠経口24時間ごと.

 3. 小児用量

生後2週~3カ月
50mg/m2 12時間ごと.
年齢≧3カ月~8カ月
100mg/m2 12時間ごと.
年齢>8カ月
120mg/m2 12時間ごと.
(年齢3~21歳で治療未経験の場合,240mg/m
2 24時間ごと)
腸溶コート錠,年齢6~18歳
体重20~<25 kg:200mg 24時間ごと
体重25~<60 kg:250mg 24時間ごと
体重≧60 kg:400mg 24時間ごと

 4. 腎障害時の用量調整

  
徐放薬
経口溶液のための粉末
半減期(時間)(腎機能正常)
1.6
1.6
半減期(時間)(ESRD)
4.5
4.5
用量(腎機能正常)
400mg経口24時間ごと
200mg経口12時間ごと(体重≧60kg)
CrClまたはeGFR
CrCl≧60,体重≧60kg:400mg24時間ごと
CrCl≧60,体重<60kg:250mg24時間ごと
CrCl 30~59,体重≧60 kg:200mg24時間ごと
CrCl 30~59,体重<60kg:125mg24時間ごと
CrCl 10~29,体重≧60kg:125mg24時間ごと
CrCl 10~29,体重<60kg:125mg24時間ごと
CrCl<10,体重≧60kg:125mg24時間ごと
CrCl<10,体重<60kg:推奨されない
CrCl≧60,体重≧60kg:200mg12時間ごと
CrCl≧60,体重<60kg:125mg12時間ごと
CrCl 30~59,体重≧60kg:200mg24時間ごと
CrCl 30~59,体重<60kg:150mg24時間ごと
CrCl 10~29,体重≧60kg:150mg24時間ごと
CrCl 10~29,体重<60kg:100mg24時間ごと
CrCl<10,体重≧60kg:100mg24時間ごと
CrCl<10,体重<60kg:75mg24時間ごと
血液透析
CrCL<10の推奨用量を用いる(透析後の追加投与は不要)
CrCL<10の推奨用量を用いる(透析後の追加投与は不要)
CAPD
CrCL<10の推奨用量を用いる
CrCL<10の推奨用量を用いる
CRRT
データなし
データなし
SLED
データなし
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

データなし

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

最もよくみられる副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
ヌクレオチド逆転写酵素阻害薬
剤形
腸溶コート錠(125,200,250,400mg)
経口溶液のための粉末†(10mg/mL)
食事に関する推奨(経口薬)1
どの剤形も食事なしで
Tmax(時間)
2
経口吸収率(%)
30~40
最高血清濃度2(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
<5
分布容積3(Vd)
308~363 L
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
1.6
排泄
代謝,腎
細胞内半減期(時間)
25~40
脳脊髄液/血液5(%)
データなし
CPE6
2
AUC7(μg・時間/mL)
2.6(400mg腸溶コート錠24時間ごと,0~24時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. 総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
      SD:単回投与後
      SS:複数回投与後の定常状態
  3. 分布容積(Vd):
      V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能)
      Vss:定常状態におけるVd
      Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. 炎症時における脳脊髄液濃度
  6. 治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  7. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アロプリノール
Didanosine↑
併用を避ける
吸収に低pHが必要な薬剤
吸収↓
併用を避ける
エタノール
膵炎のリスク↑
モニター
フルオロキノロン系
FQの吸収↓
併用を避ける
メサドン
Didanosine↓
併用を避ける
Nirmatrelvir/リトナビル
Didanosine↑
モニター,さらなる情報を求める
ペンタミジン
膵炎のリスク↑
モニター
リバビリン
ミトコンドリア毒性↑
併用を避ける
テノホビル
Didanosine↑
Didanosineの用量調整
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2024/09/30