日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

セフォペラゾン・スルバクタム  (2024/07/30 更新)
CPZ/SBT
主な商品名:スルペラゾン

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

 3. 小児用量

  
用量(生後>28日)
最大/日
標準
40~80mg/kg/日(6~12時間ごとに分割)
(CPZ 20~40mg/kg/日,1:1製剤を使用)
-
重症感染
160mg/kg/日(6~12時間ごとに分割)
(CPZ 80mg/kg/日,1:1製剤を使用)
または
240mg/kg/日(6~12時間ごとに分割)
(CPZ 160mg/kg/日,1:2製剤を使用)
-

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
CPZ:1.7~2.0
SBT:1.0
半減期(時間)(ESRD)
CPZ:変化なし
SBT:6.9~9.7
用量(腎機能正常)
2~4g/日(12時間ごとに分割)
(つまり,CPZ 1~2g/日)
CrClまたはeGFR
SBTの用量調整が必要
CrCl≧30:用量調整不要
CrCl 15~30:SBT 1 g12時間ごと
CrCl<15:SBT 500mg 12時間ごと
血液透析
SBT 500mg12時間ごと
(透析日は透析後投与)
CAPD
データなし
CRRT
SBT 1g8時間ごと
SLED
データなし

肝障害患者では用量調整が必要となることがある.

別にCPZ追加投与を必要に応じて行う(CPZは腎障害時の用量調整不要)

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
T>MIC
剤形
注射製剤
食事に関する推奨(経口薬)1

経口吸収率(%)

Tmax(時間)

最高血清濃度2(μg/mL)
CPZ:236.8(1g5分以上かけて静注,SD)
SBT:130(1g5分以上かけて静注,SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
CPZ:>2200(2g15分以上かけて静注,SD)
蛋白結合(%)
CPZ:87~90
分布容積3(Vd)
CPZ 10.2~11.3L
SBT 18.0~27.6L
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
CPZ 1.7~2.0
SBT 1.0
排泄
CPZ:胆汁(主要)
SBT:腎
胆汁移行性5(%)
CPZ:血清濃度の100倍まで
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
データなし
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
エタノール
ジスルフィラム様反応の可能性
併用を避ける
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2024/07/29