Benznidazole (2024/07/30 更新)
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Contents
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 薬理学
4. 主要な薬物相互作用
1. 用法および用量
1. 使用
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製造者:①Chemo Reaserch S.L(スペイン,米国ではExeltisを通じて)②LAFEPE(ブラジル),Benznidazoleとして,③ELFA(アルゼンチン),Abarax(R)として
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Benznidazole 12.5および100mg錠剤は2~12歳について承認されている.CDCは成人での適応外使用を支持している.
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Exeltis(Foundation Care)に連絡すれば,迅速アクセスプログラムを通じて十分な保険に加入していない患者にも無料で提供される.入手困難な抗寄生虫薬の供給元参照.
2. 成人用量
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標準処方:成人(年齢≧12歳)5~7mg/kg/日経口2回(12時間ごとに分割)・60日
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副作用のため,成人患者では300mg/日・60日で治療するか,体重にかかわらず300mg/日の投与とし,治療期間を5mg/kg/日・60日の総投与量に達するまで延長する臨床家もいる.
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より短期間での処方に関する予備的な試験の結果は有望なものであった.
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100mg経口1日3回・2または4週間処方の第III相試験がまもなく始まる.
3. 小児用量
用量(生後>28日)
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年齢<12歳:7.5mg/kg/日経口(12時間ごとに分割)60日
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最大/日
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4. 腎障害時の用量調整
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体重およびクレアチニンクリアランス(CrCl)推定値の計算法
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CAPD: 持続的携行型腹膜透析, CRRT: 持続的腎代替療法,SLED: 長時間低効率血液透析
半減期(時間)(腎機能正常)
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13.3
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半減期(時間)(ESRD)
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データなし
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用量(腎機能正常)
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5~7mg/kg/日(12時間ごとに分割)
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CrClまたはeGFR
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データなし 副作用リスクを軽減するために用量減少が推奨される
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血液透析
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データなし
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CAPD
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データなし
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CRRT
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データなし
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SLED
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データなし
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5. 肝障害時の用量調整
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有害事象のリスクを減らすため,減量が勧められることがある
2. 副作用/妊娠時のリスク
副作用
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アレルギー性皮膚炎が一般的であり,局所コルチコステロイドに反応する(重症者,剥脱性または紫斑のある場合は治療を中止:Stevens-Johnson症候群が報告されている)
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血管浮腫
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消化器:腹痛,悪心/嘔吐,食欲不振/体重低下
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神経:末梢神経障害(多くみられる:後期),頭痛,不眠
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血液(白血球減少や血小板減少がみられる場合は治療を中止)
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米国の症例シリーズ(30例)では47%に神経障害,17%に衰弱性神経疾患,20%に血管浮腫がみられ,全治療中断率は30%だった(Clin Infect Dis 60: 1237, 2015).ただし用いられた用量は高い.
妊娠時のリスク
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FDAリスク区分:動物研究で胎児障害リスクが示唆された.妊娠可能な女性には妊娠検査が推奨される.
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授乳中の使用:乳汁中濃度は低く,副作用は予想されない.授乳中の母親での使用は許容される
3. 薬理学
PK/PD指標
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データなし
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剤形
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錠(12.5mg,100mg)
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食事に関する推奨(経口薬)1
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錠:食事とともに
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経口吸収率(%)
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92
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Tmax(時間)
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2.9
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最高血清濃度2(μg/mL)
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2.2(100m経口g SD)
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最高尿中濃度(μg/mL)
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データなし
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蛋白結合(%)
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44
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分布容積3(Vd)
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39.2 L(V/F)
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平均血清半減期4 (T1/2, 時間)
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13.3
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排泄
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腎,糞便
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胆汁移行性5(%)
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データなし
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脳脊髄液/血液6(%)
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データなし
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治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
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データなし
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AUC8(μg・時間/mL)
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51.3(100mg経口,0~inf)
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注記のない場合は成人用経口製剤
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SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
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V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
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CrCl>80 mL/分と想定
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(胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
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炎症時における脳脊髄液濃度
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薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
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AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x
4. 主要な薬物相互作用
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アルコール:アルコールの酸化にBenznidazoleが干渉することでアセトアルデヒドが蓄積し,ジスルフィラム様反応(腹痛,悪心,嘔吐,頭痛,紅潮)を起こすことがある.
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