日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Artesunate  (2024/07/23 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 薬理学
4. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
2.4mg/kg静注0,12,24時間(計3回投与)
1~2分で静注

 3. 小児用量

用量(>28日)
体重<20kg:1回2.4mg/kg静注0,12,24時間,その後24時間ごと(最長7日).WHO推奨用量3kg/kgはモデルに基づくものであってGRADE基準を満たしていない
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
0.3
半減期(時間)(ESRD)
データなし
用量(腎機能正常)
2.4mg/kg静注0,12,24時間
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
血液透析
データなし
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

調整なし

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 薬理学

PK/PD指標
データなし
剤形
注射
食事に関する推奨(経口薬)1

経口吸収率(%)

最高血清濃度2(μg/mL)
AS 3.3(複数回投与後)
DHA 3.1(複数回投与後)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
93(AS, DHA)
分布容積3(Vd)
AS:68.5L
DHA:59.7L
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
AS 0.3
DHA 1.3
排泄
AS:エステラーゼ
DHA:グルクロン酸抱合
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
AS<10
DHA<10
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
AS 0.7(2.4mg/kg静注,0~inf)
DHA 3.5
(2.4mg/kg静注,0~inf)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

4. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CYP450の基質
  
トランスポーターの基質
AS:BCRP,PGP
DHA:UGT1A9,UGT2B7
CYP450の阻害
DHA:1A2(弱い)
トランスポーターの阻害
AS:OATP1B(弱い),OAT3(弱い)
CYP450誘導
  
トランスポーターの誘導
  
血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下,空白:薬物への影響なし

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
アキシチニブ
DHA↑
毒性をモニター
カルバマゼピン
DHA↓
効果をモニター
ジクロフェナク
DHA↑
毒性をモニター
イマチニブ
DHA↑
毒性をモニター
ネビラピン
DHA↓
効果をモニター
フェニトイン
DHA↓
効果をモニター
リファンピシン
DHA↓
効果をモニター
リトナビル
DHA↓
効果をモニター
バンデタニブ
DHA↑
毒性をモニター

6. コメント

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2024/07/22