日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

骨髄炎-隣接する感染巣からの二次的な骨髄炎  (2026/03/24 更新)
隣接する感染巣からの二次的な骨髄炎,末梢循環不全を伴わない


臨床状況

  • 隣接する感染巣からの二次的な骨髄炎で末梢循環不全を伴わない.
  • 敗血症であれば経験的治療の適応.敗血症でなければ培養結果を待ってもよい.

病原体

  • グラム陰性桿菌

第一選択

  • 経験的治療(急性患者に対する治療,急性でなければ,培養および感受性検査データを待つ)
  • VCM 15~20mg/kg静注8~12時間ごと(目標AUC24 400~600μg・h/mL達成が望ましいが[AUC-用量設定の原理と計算を参照],そうでなければトラフ値15~20μg/mLを目標とする)+(CAZ 2g静注8時間ごとまたはCFPM 2g静注12時間ごと)
  • 培養結果に基づく特異的治療
  • 感受性のあるグラム陰性桿菌に対しては,下記から1つ
  • CAZ 2g静注8時間ごと,またはCFPM 2g静注12時間ごと,またはCTRX 2g静注24時間ごと
  • CPFX 750mg静注/経口1日2回,またはLVFX 750mg静注/経口24時間ごと
  • MSSA:
  • Nafcillin 2g静注4時間ごと,またはOxacillin 2g静注4時間ごと,またはCEZ 2g静注8時間ごと
  • MRSAまたは重症βラクタムアレルギー:
  • VCM 15~20mg/kg静注8~12時間ごと(目標AUC24 400~600μg・h/mL達成が望ましいが,そうでなければトラフ値15~20μg/mLを目標とする),またはDAP 10mg/kg静注24時間ごと

第二選択

  • 急性期の患者に対する経験的治療
  • LZD 600mg経口/静注1日2回 またはDAP 10mg/kg静注24時間ごと+MEPM 1g静注8時間ごと
  • MSSAまたはMRSAに対する経口処方:感受性確定後
  • CPFX 750mg経口1日2回+RFP 300~450mg経口1日2回
  • LVFX 750mg経口1日1回+RFP 600mg経口1日1回
  • LZD 600mg経口1日2回(2~3週を超えて使用すると毒性の可能性あり)
  • 感受性検査結果に基づく治療または抑制療法のための他の経口薬選択肢としては:AMPC,AMPC/CVA,ST,DOXY,MINO,CLDM(経口薬選択肢のリストについては,Am J Med 2025年11月19日JAMA Netw Open 5: e2211321,2022参照,および下記コメント参照).

抗微生物薬適正使用/治療期間

抗微生物薬適正使用
  • 可能なら,適切な培養が得られるまで経験的治療は行わない.
  • 培養結果に基づいてDe-escalationを行う.
治療期間
  • 治療期間は十分には確立されていないが,一般的にハードウエアが埋め込まれていないなら6~8週間,ハードウエアを温存する,あるいは感染部位に埋め込み交換手術をする場合は12週間が推奨されている.
  • ハードウェア感染
  • 理想的には,ハードウエア除去
  • ハードウエア感染初期(症状<4週)
  • すべてのハードウエアを除去した後,さらに6週間治療
  • 骨の融合がないためにハードウエアを温存する場合には,骨融合まで治療;いったんハードウエアが除去されれば,さらに6週間追加の治療を行う
  • 感染晩期
  • ハードウエアを温存する場合には,12週間治療した後,骨融合まで抑制療法を続ける(ハードウエアを温存する場合には,治療失敗や再発のリスクがある)
  • ハードウエアが除去されれば,その後さらに6週間治療

コメント

  • 小規模ランダム化対照比較試験において,外科的介入の回数,癒合不全,再感染率に関して,未治療ITT解析では経口抗菌薬使用は静注抗菌薬に非劣性だったが,PP解析および調整解析では非劣性でなかった(JAMA Surg 160: 276, 2025).
  • 骨との持続的な融合が不可能な場合,ハードウェアの除去と外部固定が必要となることもある.
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2026/03/23